【祝・浅村2000安打】大阪桐蔭の恩師・西谷浩一監督も驚く成長曲線 心を入れ替えた高2の夏
2025年5月24日(土)14時36分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ 楽天ー日本ハム(2025年5月24日 楽天モバイル)
楽天の浅村栄斗内野手(34)が、24日の日本ハム戦(楽天モバイル)で通算2000安打を達成した。
浅村の恩師である大阪桐蔭・西谷浩一監督は「高校での評価は低い子ですよ」と笑う。理由の一つは、寝坊の常習犯だったこと。寮の朝礼をのぞくと、部員が焦り始める。「あの…浅村がいません…」。寝ている浅村を怒鳴って起こしたことも一度や二度ではない。
7学年上の兄・展弘さんも同校出身。ある時、父の哲弘さんから「いい中学生がいます」と情報提供があった。視察に行くと、名前が「浅村」だった。「いや、弟やないですか!」。父が不意打ちで勧めなければならないほど無名選手だった。
メンバー外となった高2春の面談では、吐き捨てるように言った。「主将と同じ遊撃手だから、どうせ試合に出られないでしょ」。西谷監督は「そんな気持ちやからあかんねん!」と一喝しつつ、一つ提案した。「俺が一から教えるから、二塁手をやってみないか?」。出場機会に飢えていただけに、スイッチが入れ替わった。2年夏の大阪大会で打率7割超と台頭。3年夏の甲子園では正遊撃手として打率・552で優勝に貢献した。
実はドラフト指名漏れを想定し、社会人チームに受け入れを要請していた。「指名はないかもと思っていた。浅村の人生は夏の甲子園で変わったんです」。偉業の裏には名将も驚く成長曲線があった。(河合 洋介)