楽天・浅村 涙の金字塔!2000安打目前不振で足踏み「一番思い出に残ると思う」
2025年5月25日(日)5時30分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ 楽天2—1日本ハム(2025年5月24日 楽天モバイル)
涙の金字塔だ。楽天の浅村栄斗内野手(34)が24日、日本ハム戦の初回に決勝の右前適時打を放ち、史上56人目、平成生まれでは初の通算2000安打を達成した。プロ17年目で34歳6カ月での到達は史上7番目の年少記録。打撃不振でパ・リーグ記録を更新していた連続試合出場が1346試合で途切れるなど苦しんだ末に本拠地の楽天モバイルパークで成し遂げた。
こらえられなかった。浅村はお立ち台で「ちょっと待ってもらっていいですか」と約20秒沈黙。男泣きは止まらなかった。
初回1死二塁。山崎の131キロチェンジアップを決勝の先制右前打。代名詞の右方向への一打で節目を飾り「一番思い出に残ると思う。2000本目もいい形のヒットだった。理想的な打撃」と振り返った。日本ハムナインもベンチ前で祝福。照れくさそうに記念ボードを掲げた。
残り9本から自己ワーストの35打席連続無安打、20日の西武戦では歴代4位の連続試合出場が止まったが、2回には7試合ぶりのマルチ安打となる左前打。「僕も(打球が)飛んでくるなってぐらいの緊張感があった。なんか申し訳ない気持ちもありましたし、みんなの気持ちを凄く感じました」と1点差勝利を何よりも喜んだ。(花里 雄太)
【浅村に聞く】
——節目の安打の感触は。
「長所である右方向に強い打球を打つことを若い時から心がけて、安定した成績を出せるようになった。そういう打撃を節目で打てて“まだまだできそう”“やらないとな”と思った」
——大阪桐蔭出身では初の達成。
「大阪桐蔭で野球の厳しさを学んだことが原点。偉大なOBがたくさんいる中で1人目ということは率直に凄くうれしい」
——1打席目からベンチが総立ちで応援。
「試合中は見えていませんでしたが、試合後に三木監督に“それぐらいお前の背中は大きいんだぞ”と伝えてもらってうれしかった」
——宗山が2000安打を目指したいと言っていた。
「続いてほしい。僕は最初から意識してやってきたわけでは全くない。しっかり一年一年結果を残して、今の若い人たちにはやってほしい」
——家族には。
「いつもありがとうと言いたい。一緒に苦しんで、一緒に喜んできた。一緒の感覚ではいると思うので」
◇浅村 栄斗(あさむら・ひでと)1990年(平2)11月12日生まれ、大阪府出身の34歳。大阪桐蔭では3年夏に甲子園優勝。08年ドラフト3位で西武入団。13、18年に打点王。19年にFAで楽天に移籍し20、23年に本塁打王。19年プレミア12と21年東京五輪の日本代表に選出。両大会で優勝した。1メートル82、90キロ。右投げ右打ち。