早すぎる“不良債権扱い”は「不公平」 批判されるソトの超大型契約に米識者が持論「スランプに苦しんでいる自由はない」
2025年5月25日(日)11時12分 ココカラネクスト

グラウンド上で苛立ちを露わにする場面も少なくないソト。(C)Getty Images
世間の逆風は強まる一方だ。批判の渦中にいるのは、昨オフにメッツと15年最大8億ドル(約1216億円=当時のレート)のメガディールを締結したフアン・ソトだ。
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スポーツ界でも史上最高額とされる天文学的な契約金が大きく影響し、ソトへの期待は開幕前から沸騰状態。球界でトップクラスのハイアベレージを残せなければ、批判される状況は出来上がっていった。
ゆえに低調なスタートを切った26歳に対する風当たりは強い。開幕51試合で打率.242、8本塁打、23打点、OPS.796と不振にあえぐソトには批判が集中。ファンはもちろん、一部メディアや識者も「不良債権」と断じる始末となっている。
ただ、15年のうちの1年目、それも51試合を消化した段階だ。「不良債権」と見限るのは、時期尚早という感は否めない。実際、メジャーリーグのレジェンドからもプレッシャーに晒されるソトを慮る声は上がっている。
米スポーツ専門局『CBS Sports』のインタビューに応じた往年の大投手、ジョン・スモルツ氏は「誰かが13年か14年の契約を結んだ。だから(同等の)契約を結ばなければという風潮になっている。これは1パーセントの人たちの話だ」と吐露。長期契約が立て続くMLBの風潮に釘を刺した上で、「彼が結んだような契約で理解しておかなければならないのは、うまくいった例をほとんど見たことがないということだ。本当に、うまくいってない」と長期契約のリスクを語ったレジェンドは、持論を続けている。
「ショウヘイ・オオタニだけは例外かもしれない。でも、あのマイク・トラウトでさえ、契約をどれだけ評価している人がいるかわからない。彼の予期せぬ怪我や試合出場の少なさを見て、それが野球界で最も偉大な契約であり、最も偉大な選手に見えられているだろうか」
2012年に総額4億2650万ドル(約473億円)の契約を結んだトラウトですら「偉大な契約には見られていない」と断じたスモルツ氏。球界の酸いも甘いも熟知するレジェンドは、「だから一定期間ごとに見なければならない」と断言し、ソトの受ける批判に対する見解を示している。
「『普通に良い選手』という評価を受ける選手から、『みんなの期待に応える特別な選手』になるには素晴らしい個性を持っている必要がある。そういう契約にサインすると、公平かどうかは別にして、スランプに苦しんでいる自由はない。それは不公平だし、正しくない。とにかくシーズンは長すぎる」
日々苛烈化していくファンの声をソトは跳ねのけていけるのか。3分の2以上残っている残りシーズンの戦いに注目だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]