【高校野球】智弁和歌山のセンバツ準Vエース右腕が天理ねじ伏せる 筋肉量2キロ増で成長を実感
2025年5月25日(日)6時0分 スポーツ報知
力投する智弁和歌山の渡辺颯人
◆春季近畿地区大会▽1回戦 智弁和歌山7—3天理(24日・さとやくスタジアム)
春季近畿地区大会が開幕し、今春センバツ準優勝の智弁和歌山が、天理(奈良1位)を破って準決勝に駒を進めた。センバツ決勝以来の公式戦マウンドに上がったエース右腕・渡辺颯人(3年)が、6回6安打1失点と好投した。滋賀学園は、プロ注目の最速142キロ右腕・長崎蓮汰(3年)が、7回1/3を8安打2失点と粘投し、奈良(奈良3位)を退けた。
エースの座は譲らない。夏に向けた調整と他投手の台頭を目的に春季県大会はベンチを外れていた智弁和歌山の渡辺が、3月30日のセンバツ決勝以来の公式戦で6回6安打1失点。「外れるということは、戻ってきたときに結果を出さないと『何やってたんだ』と言われるので。そこは結果にこだわった」と振り返った。
プレーボール直後に左中間へ二塁打を浴びていきなりピンチを招くなど、2回以外は毎回得点圏に走者を背負った。ただ、「ギアを使い分けて投げられた」と、崩れることはなく5回まで無失点。6回に1失点したが、その後の2死一、三塁を遊ゴロに抑え、県大会5試合47得点を挙げた天理打線に反撃の隙を与えなかった。
センバツでは、全5試合に先発も、横浜(神奈川)との決勝では5回2/3を9失点(自責3)と力尽きた。「徐々に力がなくなっていく部分があった。もう一つ、体をつくらないと夏は戦えない」。大会だけではなく、日々の練習でもアップ以降は全体練習から離れてウェートトレーニングをするなど、体づくりを徹底。既に筋肉量は2キロ増えていると言い、「力を入れなくてもボールがいく感覚がある」と成長を実感している。
昨年の近畿大会は春秋ともに決勝で敗れて準優勝。右腕は「ずっと優勝し切れずに終わっている。夏につなげるためにも、この春の近畿で優勝したい」と、まずは3年ぶりの近畿王者に照準を合わせた。(瀬川 楓花)
◆渡辺 颯人(わたなべ・はやと)2007年6月23日、横浜市生まれ。17歳。小1から野球を始め、6年時にDeNAジュニア入り。中学時代は世田谷西シニアに所属し、3年時にジャイアンツカップで大会史上初の完全試合を達成。U—15W杯(メキシコ)にも出場。高校では1年春から内野手としてベンチ入り。2年春から背番号1。今春のセンバツは全5試合に登板し、準優勝に貢献。最速145キロ。変化球はカーブ、スライダー、チェンジアップ、ツーシーム。180センチ、92キロ。右投右打。好きな有名人は今田美桜。
〇…U—18日本代表候補の天理・赤埴幸輝遊撃手(3年)は、1—7の8回1死一塁で右前打。その後の追加点につなげるも、反撃とはならず「自分たちの野球ができなかったので、そこが一番、悔いが残る」と肩を落とした。今秋ドラフト候補に挙げられていたが、卒業後は社会人野球に進むと表明。最後の夏に向け、「守備の正確性、打撃でも一球で仕留める強さを磨いていきたい」と意気込んだ。