【玉ノ井親方 視点】豊昇龍 腰高突いた横綱“先輩”の執念
2025年5月26日(月)0時44分 スポーツニッポン
◇大相撲夏場所 千秋楽(2025年5月25日 両国国技館)
豊昇龍が最後に横綱の意地を見せた。全勝優勝がいかに難しいか、それを証明する千秋楽の一番となった。大の里の相撲も悪くはなかったが、少し腰高だった。元々、覆いかぶさるような寄り方をするだけに、横綱に土俵際で回り込まれた際に自分の腰が相手の体に乗るような形になり、バランスが悪くなって投げられてしまった。
右を差して一気に前に出る相撲は迫力満点だが、前のめりになって腰高になってしまう癖は直した方が良い。回り込むのがうまい相手にそこを突かれて、思わぬ不覚を取る可能性が高くなる。
返り三役の若隆景は、良い時の立ち合いの当たりが戻ってきた。前さばきのうまさに加え、差してからのスピードの速さ、おっつけの巧みさなど器用な上に力強さも備わってきた。大関候補の筆頭として期待したい力士だ。(元大関・栃東)