モルビデリ、ハイペースな追い上げで7位「最後の旅を締めくくるための絶好の形になった」/第20戦バレンシアGP 決勝

　11月26日、2023年MotoGP第20戦バレンシアGP MotoGPクラスの決勝がリカルド・トルモ・サーキットで行われた。モンスターエナジー・ヤマハMotoGPのフランコ・モルビデリは7位、ファビオ・クアルタラロは11位でフィニッシュしてともにポイントを獲得した。

　クアルタラロは前夜からの発熱により、朝のウォームアップ走行をキャンセルしていた。決勝前も体調不良が続いていたようだが、最終レースへの出場を決意して15番グリッドに並んだ。オープニングラップでは、モルビデリが19番グリッドから好スタートを切って15番手、クアルタラロはやや出遅れて16番手となった。

　モルビデリは早々にポル・エスパルガロ（GASGASファクトリー・レーシング・テック3）とルカ・マリーニ（ムーニーVR46レーシング・チーム）をパス。さらにペースを上げて自己ベストを更新しながら、9周目にはトップ10まで上り詰める。クアルタラロも中上貴晶（LCRホンダ・イデミツ）を捉えると、ポジションをキープしながら周回を重ねていく。

　中盤以降に転倒が相次いだことで、ふたりは少しずつ順位を上げる形となった。モルビデリは、残り5周でアプリリア・レーシングのマーベリック・ビニャーレスとアレイシ・エスパルガロを捉えて7番手に浮上。さらに前との距離を詰めていくが、わずかに及ばず、最後は7位でフィニッシュ。クアルタラロも体調が万全ではないなかでも、最後まで懸命に走行を続けて11位でチェッカーを受けた。

　この結果、クアルタラロは計172ポイントでランキング10位、モルビデリは計103ポイントでランキング13位で終えている。チームランキングは計274ポイントで7位、コンストラクターズランキングにおいては計196ポイントで4位となった。

　今シーズン限りでチームから離脱するモルビデリは、これまでヤマハから全86戦に出場し、そのうち45戦をモンスターエナジー・ヤマハMotoGPとともに戦ってきた。苦しい状況下でも、クアルタラロと互いに奮闘し合いながら戦い抜き、ヤマハでの最後のレースを7位で締めくくった。

■フランコ・モルビデリ（決勝：7位）
「19番グリッドから7位まで、素晴らしい挽回ができた！　僕たちの最後の旅を締めくくるための絶好の形になったと思っているよ。ここまで多くのアップダウンがあり、もしかしたら”アップ”よりも”ダウン”のほうが多かったかもしれないけれど、2年目の今年は良いレースを何度も経験することができた。このような形でシーズンを終えられることをうれしく思っている」

「すべてのレースで完走し、スプリントでもメインレースでも毎回チェッカーフラッグを見ることができた。僕たちは常に安定していて、また堅実であったことに満足しているよ。そのほかにも見たり経験したりした多くのことを、永遠の思い出としていくつもりだ。ここからは未来に目を向けていこうと思う。モンスターエナジー・ヤマハMotoGPで戦ったこの2年とちょっとの期間は、僕にとって最高のレッスンになったよ」

■ファビオ・クアルタラロ（決勝：11位）
「昨日の朝から気分が悪かったのだけれど、 薬を飲んで少し良くなったんだ。でも、この48時間のなかで4時間くらいしか眠れていなかったから、とても疲れているように見えるのだと思う。今朝も体調は良くなかったし、今も同様なのだけれど、シーズン最後のレースでベストを尽くしたいと思い、それを実行したんだ。2023年はとてもタフなシーズンで、多くのことを経験した。来年は状況が好転し、より高い順位でバトルできるよう期待しているよ」