アトレティコ、グリーズマンへの不正接触でバルサを提訴…サリナス氏の見解は?

2017年12月22日(金)12時29分 サッカーキング

グリーズマンの移籍問題について、サリナス氏(右)が見解を述べた [写真]=Anadolu Agency/Getty Images

写真を拡大

 アトレティコ・マドリードがバルセロナを提訴するという展開を迎えた、フランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンの去就問題。両クラブでプレーをした経験を持つ元スペイン代表FWのフリオ・サリナス氏が、アトレティコ側に一言物申した。

 今夏の移籍市場で他クラブへ移籍することが有力視されていたグリーズマンだが、アトレティコ・マドリードがFIFA(国際サッカー連盟)から科された補強禁止処分が解除されなかったこともあり、残留を決断した。同時に、同クラブとの契約を2022年6月末まで1年間延長している。一方、年明けに解禁となる冬の移籍市場からは選手獲得が可能となることから、移籍の噂が再燃。バルセロナが熱視線を送っていると見られており、ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長がグリーズマンの家族と話し合いを行ったとも報じられている。

 だがFIFAの規定により、獲得を狙うクラブが所属クラブを通さずに選手と直接交渉することができるのは契約満了の半年前からとなる。それゆえ、バルセロナはグリーズマンと不正に接触したことになり、アトレティコ・マドリードはFIFAへの提訴に打って出た。バルセロナは報道が事実無根であることを主張している。

 とはいえ、アトレティコ・マドリードは今夏にグリーズマンと契約延長を行った際、契約解除に必要な違約金を来年9月まで一時的に1億ユーロ(約135億円)から2億ユーロ(約270億円)に引き上げる特別条項を付帯。今後の移籍市場で放出することを念頭に置き、移籍交渉を有利に運ぶための措置である。また、クラブが獲得を狙う選手と秘密裡に接触するのは、現実には常套的に行われている。それゆえサリナス氏からすれば、アトレティコ・マドリードがバルセロナを提訴するのはナンセンスだという。

「アトレティコはグリーズマンとの契約延長に際して、違約金を2億ユーロに引き上げた。それは、退団が近付いていることが分かっているからだ。クラブが補強を行うことのできない2017年中の移籍はなくとも、選手獲得が可能となる2018年には確実に移籍するとね」

 実際にアトレティコ・マドリードは今夏、補強禁止処分中にも関わらず、スペイン代表MFビトーロの獲得を内定させている。同選手に対して強引な接触を図ったことで、セビージャの逆鱗に触れている。自らの行為を棚に上げてバルセロナを非難するアトレティコ・マドリードを、サリナス氏はチクリと皮肉った。

「FIFAの移籍規定については理解している。しかし、クラブとの契約を半年以上残している選手への接触は、断じて許されないのだろうか? だとすれば、アトレティコはビトーロの時は何をした?」

 バルセロナとアトレティコ・マドリードはともにレアル・マドリードのライバルであり、比較的良好な関係を築いてきた。しかし現在の状況は両クラブにとってもグリーズマンにとっても良いものとは言えない。穏便に問題を解決してもらいたいところだ。

文=北村敦

サッカーキング

「提訴」をもっと詳しく

タグ

「提訴」のニュース

「提訴」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ