【コラム】無敗街道から一転、まさかの連敗で首位陥落…インテルが直面する問題とは?

2017年12月26日(火)17時54分 サッカーキング

好調を維持していたインテルが壁に直面している [写真]=Getty Images

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 ミラノの2チームがスランプに陥っている。DF長友佑都が所属するインテルは第17節のウディネーゼ戦で今シーズン初黒星を喫すると、続く18節のサッスオーロ戦も落とした。苦しむチームの中で、長友もコッパ・イタリア以外では出場機会をつかむことができない状況となっている。同じ都市のライバル・ミランも、ジェンナーロ・ガットゥーゾ新監督になってからも成績は上がらず、“ショック療法”は功を奏していない。

 今回は、首位ナポリ、2位ユヴェントスとの勝ち点差が開きつつあるインテルを取り上げたい。

 おそらく、無敗を続けていたインテルに対しての風向きが変わったのは12月12日のコッパ・イタリア5回戦ポルデノーネ戦からではないだろうか。

 レーガ・プロ(イタリア3部)のポルデノーネに対し、インテルのルチアーノ・スパレッティ監督はイタリア代表MFロベルト・ガリャルディーニやスロヴァキア代表DFミラン・シュクリニアル以外は完全に控えメンバーで試合に臨んだ。ポルデノーネというクラブについては名前すら聞いたことのない人が多いだろうが、昨シーズンはセリエB昇格をめぐってプレーオフでパルマと戦うなど健闘を見せていた。

 そんな相手に対して主力を温存したインテルは、後半にクロアチア代表MFマルセロ・ブロゾビッチ、同FWイヴァン・ペリシッチ、アルゼンチン代表FWマウロ・イカルディを投入したもののゴールを奪うことができず、PK戦でようやく勝利をものにした。

 懸念されるのはイカルディ頼みの攻撃面だ。エースはこれまで17ゴールを記録して得点ランクのトップを走るなど、文字通りチームをけん引してきた。一方で、それに続くのがペリシッチの7ゴールというのは寂しい数字だ。実際、サッスオーロ戦ではイカルディがPKを止められると、ドローに持ち込むことすらできなかった。改善策として、クラブは1月のメルカートでパリ・サンジェルマンのアルゼンチン代表MFハビエル・パストーレ獲得に動くようだ。パストーレ本人も接触を認めている。

 また、守備面での不安も出てきた。サッスオーロ戦で負傷退場したイタリア代表DFダニーロ・ダンブロージオは、その後のMRI検査で左足の副側じん帯損傷により全治1カ月と診断された。またブラジル代表DFミランダも右足のふくらはぎ下のヒラメ筋を痛めていることがわかり、戦線離脱となった。

 ただ、これで長友に出番が回ってくるかと言えば、そう単純な状況ではない。サッスオーロ戦で初めて右サイドバックとしてフル出場したポルトガル代表DFジョアン・カンセロが、同試合のインテルにおける最優秀パフォーマンスを披露したのだ。本人も「このポジションが好きだ。できるだけ早く、勝てるインテルに戻らなければならない」と、右サイドバックが自身のベストだとコメントしている。

 一方、一時はスパレッティ監督からの信頼を勝ち得たイタリア人DFダヴィデ・サントンは、ウディネーゼとのゲームで3失点のうち2失点につながる決定的なミスを犯した。新戦力のブラジル人DFダルベルトは目立ったプレーを見せていない。故障者を除いたサイドバックの序列は、カンセロ、ダルベルト、長友、サントンの順だと見ている。チームが苦しい中でインパクトを残した選手が上がっていくだろう。

 インテルは今後、27日にコッパ・イタリア準決勝でミランと、30日にはセリエAでラツィオと対戦する。そして年明けの1月5日にフィオレンティーナ、冬休みを経て同21日にはローマと、ビッグクラブが待ち受けている。

 今シーズン最初の壁にぶち当たったインテル。イカルディ頼みの攻撃と不安定な守備の問題をスパレッティ監督がどう解消するのか、注目が集まる。

文=赤星敬子

サッカーキング

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