歳を重ねて、気づかないうちに自分勝手な行動を取っていませんか?ひとり暮らしが長くなると、自分で決めるクセがつき、相手の希望を聞くのを忘れがちに
2025年3月2日(日)16時50分 婦人公論.jp
(写真はイメージ。写真:stock.adobe.com)
人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。
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もしかして、それは自分勝手かも…
高齢者の間では、俳句や短歌をつくるのも楽しみの一つになっています。
句会に参加しているうち、季節のお題を探しにちょっと遠出をすることもあるようです。
こうして、句会のメンバーと一緒に春の鎌倉を歩くことになったSさん。
最初は行動を共にしていたのですが、途中で、「僕はもう少し山のほうへ行きたいので、ここで失礼するね」という言葉を残して、さっさと別行動をとってしまいました。
グループで来たのですから、よほどの理由がない限り一緒に行動するのが原則だと思いますが、Sさんはあらかじめ幹事にその旨を伝えていたわけでもなく、その場にいた人たちは、突然の別行動にちょっとびっくりしたようです。
ひとり暮らしが長くなると…
仮に友だちと2人だったとしても、Sさんのようなタイプの人は要注意人物といえそうです。
というのも、おそらく何をするにも自分の思いどおりに行動してしまい、一緒にいる友だちの意向などおかまいなしのはずだからです。
「そろそろ飯でもどう? 天ぷらがいいかな」
そう言って、もう、のれんに手がかかっている様子が目に浮かびます。
どうも、ひとり暮らしが長くなると、何でも自分で決めるクセがついていて、相手の返事も待たずに行動してしまうようです。
でも、誰かと一緒であれば、まずは相手の希望や意見を聞くようにしましょう。
強引な印象にならない会話を
たとえば、こんなふうに話を持っていくと、自分の思いもかなうかもしれません。
「そろそろ飯でも食おうか?」
「そうだね。そう言われれば、ちょうどお腹がすいてきたところだよ」
「何がいいかなあ? うちの奥さんはさっぱりしたものばかりつくるんだよ」
「そうか。それならたまには天ぷらか鰻なんかどうだろう?」
「そうか。じゃ、今日は天ぷらにしようか」
いかがですか。ちゃんと相手の意向も入れて、うまく話がまとまりましたね。これなら決して強引な印象にはなりませんし、あなたの好感度もアップするでしょう。