ひとり暮らしのシニアが「1人でもいいから愚痴をこぼせる相手」を持つべき理由。<愚痴>は精神の健康を保つために大切なもの

2025年5月11日(日)8時0分 婦人公論.jp


(写真はイメージ。写真:stock.adobe.com)

人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。

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精神の健康を保つために大切な「愚痴」


「愚痴」というと、無意味で情けないように感じられるかもしれませんが、精神の健康を保つために、じつは大切なものです。

とくにひとり暮らしのシニアにつきものの「寂しい気持ち」は、抱えているうちに大きくなり、「惨めな気持ち」にまでなりがち。

シニアには「1人でもいいから愚痴をこぼせる相手」を持ってほしいものです。

あるシングルのシニア女性は、一人でいることには慣れていますが、何か嫌なことがあると、「結婚はしなくても、子どもだけでも生んでおけばよかった」と思ってしまうとか。

あるとき、同じ境遇にある同世代の女性と知り合いになり、流れでお酒を飲みに行ったところ、なんということのない会話をしただけだったのに、ずいぶんスッキリしたそうです。

それ以来、2人は電話やメールのやりとりをしたり、食事に行く仲になりました。

愚痴は言葉にして笑い飛ばす


別に愚痴のこぼし合いというわけではなく、ただ、世間話をしているだけで楽しいそうです。

ときには電話で「寂しい」とこぼすこともありますが、「そうね。一人って寂しいよね」と相づちを打ってもらうだけで、気持ちが軽くなり、「大丈夫、頑張ろう」と思えるようです。

ウェットな気持ちを胸に閉じこめておくと、いつのまにか表情や雰囲気まで湿っぽくなってしまいます。

「愚痴を言ったところで何の解決にもならない」と思うかもしれませんが、口に出さずに頭の中で思い悩んでいるだけでは、やはり何も解決しません。

それならば、言葉にして、それを笑い飛ばしてしまうほうが賢明です。

婦人公論.jp

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