国立清水海上技術短期大学校で入学式 - 歴史ある学校で船乗りを目指す113名

2025年4月18日(金)16時7分 マイナビニュース


国立清水海上技術短期大学校は4月7日、令和7年度の入学式を実施した。入学したのは10代〜30代の113名(うち女子は19名)。学生たちは今後2年間のカリキュラムで、航海士と機関士の両方の免許取得を目指していく。
○希望を語る人になれ
静岡県の中部に位置する三保半島。その東側に広がる”三保の松原”は、2013年にユネスコの世界文化遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産に登録されている。
そんな三保半島の付け根にキャンパスを構える国立清水海上技術短期大学校。その歴史は古く、1944年に創立された高浜普通海員養成所が原点となっている。現在の静岡市清水区に「国立清水海員学校」として移転したのが1961年のこと。2001年から現在の校名となった。
学校長式辞で、そんな学校沿革に触れた鶴田誠校長。「創立以来81年と長い歴史を誇る本校です。日本の三大美港のひとつである清水港にも近く、皆さんの生活環境、学習環境は整っています」と強調する。
「これから皆さんは親元を離れ、寮で共同生活を送ります。青春時代の最も輝いた2年間が良い思い出として残るよう、お互いを尊重し、切磋琢磨し、一生涯の友を作ってください」と鶴田校長。
令和7年度の新入生の内訳は、3月に高校を卒業したばかりの生徒が74%、大卒・社会人経験者が26%。関東、東海、関西エリアを中心に、北は北海道・東北、南は九州・沖縄と全国から広く集まった。
それぞれが船員としての将来を見据え、四級海技士(航海)、内燃機関四級海技士(機関)の海技免状の取得を目指していく。なお卒業後は、6割が航海士、4割が機関士として就職していくという。
ここで鶴田校長は、船会社が求める人物像は「きちんと学んで成長していける人」かつ「船内で円滑なコミュニケーションをとれる人」であると説明する。
また、3つの言葉を紹介した。ひとつは「好きこそものの上手なれ」で、「好きになったモノには興味が出てきます。本校には、皆さんの興味を喚起する環境が整っています。ぜひ船を好きになって、自分の将来を切り開いてください」と話す。
2つめは小説家 井上靖の「努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る」で、「楽をしようとしないでください。不平不満があっても心の中にしまい、目標に向かって希望を語る人、努力する人になってください」とした。
3つめは「かわいい子には旅をさせよ」で、「皆さんが学校でうまくやっているだろうか、と親御さんも常に心配されています。これまで育ててくれた親のありがたさに感謝してください。言葉に出して『ありがとう』を伝えられる大人に成長し、この先、たくさんの親孝行をしてください」と呼びかけた。
このあと清高会(同窓会)会長の清水昭一朗氏が挨拶。本校の卒業生は1万3,000人にのぼり、戦後復興期の日本の経済発展に大いに貢献してきた、と胸を張る。そして「今後も日本は海上物流なくしては成り立ちません。船乗りを目指す皆さんに大いに期待するところです」とエールを送った。
また祝電が紹介された。日本内航海運組合総連合会 会長の栗林宏吉氏は「この度のご入学、心よりお祝い申し上げます。新たな学びの場で多くを吸収し、夢の実現に向けて大きく前進されることを期待しております。皆様が日本の海運業界を担う立派なシーマンとしてご活躍される日を楽しみにしております。今後のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます」とメッセージを寄せている。
最後に学生宣誓。学生を代表して三輪さんが登壇して「本日、ここに入学を許可されました私たち一同は、本校の学生として学則を守るとともに、将来、船舶職員になるために勉学に励むことを誓います」と力強く宣誓した。
近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら

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