25歳でがんを患ったヘルスコーチが推奨する“引き算メソッド”「食事を変えたら思考も変わった」
2025年4月20日(日)7時0分 週刊女性PRIME
ヘルスコーチのちゃおさん
25歳のときにがんを患ったちゃおさん。3度の手術と抗がん剤治療の闘病期間は、再発の不安に怯え続けたという。しかし食事法を変えたことで、無事に寛解。「徹底したのは“食べなくていいものは排除”ということ。生き方まで変わりました」何をどう、食べなくなったのか。詳しくお話を聞いた。
食事を変えたことで、身体ばかりか思考や性格も変わった
「私は生存率1%のがんから帰還した女、でも52歳の今がいちばん元気です!」
と、SNSで元気の秘訣を発信し続けているちゃおさんは、25歳のときにがんを患った。
「新婚3か月のころ、偶然受けた婦人科でがんが判明。3度の手術で子宮と卵巣を全摘後、抗がん剤治療を経て10年後に寛解を告げられるまで、再発の不安に怯え続けました」(ちゃおさん、以下同)
当時はまだまだ「がん=死」に結びつけがちな雰囲気。診断結果を先に知っていた家族の異様な空気を感じ取り、覚悟はしつつも父親の口からがんと聞いたときは衝撃だった、とちゃおさん。
「“がんは治る病気。絶対に死なない”と言ってくれた父の言葉があったから、治療に耐えることができたと思います」
幸いがんは消えたが、30代手前という早期に迎えた更年期のせいで不眠や便秘、関節痛などの不調に次々と襲われ、身体はボロボロに。
「突然の体調不良やふらつきは日常茶飯事。顔や身体のひどいむくみで、外出も人前に出るのも怖かった。一生このつらさと付き合っていかないといけないのかと、鬱々とする日々でした。
そんな中“汝の食事を薬とせよ 汝の薬は食事とせよ”という古代ギリシャの医師、ヒポクラテスの言葉に出合って。そこから栄養学を学び、さまざまな食養生に挑戦したんです」
食養生の勉強過程で体験したファスティング(断食)後は、辛抱の連続だった13年間の結婚生活を終えようという決断がすっと胸に降りてきたという。
「治療によって、出産ができないだけでなく、20代という若さで女性としての欲求や感覚が薄れていくことが受け入れがたく、同時に夫への罪悪感もありました。ただ、この結婚生活はもう十分だなと素直に思えて、視界が広がったんです。離婚しようと決断した当時は、自分がいちばん驚きました。食事を変えたことで、身体ばかりか思考や性格も変わった」
でも、あともう一つ突き抜けられない壁があると感じていたころ……。
「経営していたヨガスタジオを閉めたのを機に、糖を断つと決めました。お菓子も炭水化物も大好きだったけどいちばん大事なものを手放さないと先に進めないなと。そうしたら驚くほど体調がよくなっていきました」
さらなる試行錯誤を重ね、独自の食事療法である28Daysメソッドを確立。2024年5月からSNSで配信を始めると、予想以上の反響がきた。
「私と同様、がん経験者や更年期障害、PMSに悩む女性からの反響が特に多いです。食養生メソッドのオンライン講座には国内外から多くの人が参加してくれて、みなさんが成果を出しています」
おいしい料理をきちんと食べること
ちゃおさんの食養生はいわば「引き算」のメソッド。
「何かを足すのではなく、身体に入れないほうがいいものをできる限り食卓から減らすこと、そしておいしい料理をきちんと食べることです。シンプルすぎますか? でもこのメソッドを続ければ身体は絶対に変わりますよ!」
「身体に入れないほうがいいもの」とは、糖・小麦・悪い油・乳製品の4つ。特に「糖」は、最初の5日間で甘いものをすべて断つ、というから相当な覚悟がいりそうだ。
「そのつらさはよくわかります。でもこれは、28日間限定のイベントではなく、生涯の食事習慣を決める大事な期間。5日後の身体の変化にきっと驚きますよ」
次の9日間で、炭水化物などの糖質をできるだけ抑える。大まかな流れは右ページを参照してほしい。
「このメソッドは糖断ちが目標ではなく、その人にとって適正な糖質量を見極めるために行うものです。体内で余分な糖がタンパク質などと結びついて糖化する、この糖化こそ老化や体調不良の大きな原因です。糖質は身体に欠かせない栄養素の一つでも、とりすぎは害にしかなりません」
残る3毒のうち「小麦粉」は腸内環境を乱すもとだから、「悪い油」は酸化しやすいから避けたほうがいい。そして「乳製品」をとると消化不良をまねく乳糖不耐症の人もいるので、避けたほうがよいとちゃおさんは言う。
そうした食習慣を身につけて減量に成功した人、アレルギー症状やリウマチなどの関節痛が楽になった人、薬だけでは改善しなかった血糖値が平常になった人などから、喜びの声が届くという。
「乳がんによる抗がん剤で、むくんだ身体に悩みがあった41歳の女性は、顔の輪郭と後ろ姿がとても変わり、8kgの減量に成功。現在はがんの再発の心配はなく元気に過ごしています。体重ばかり気にして栄養失調に陥ってしまった50歳の女性は、10kg減で体調も良好。きれいに痩せられて満足と効果を実感されていました」
食養生メソッドを楽しく続けるためのお手軽レシピもSNSでたくさん紹介中だ。例えば、
「玉ねぎ水の動画をアップしたときはフォロワー数が倍増してビックリ。よく洗った玉ねぎの皮を1〜3日かけて水出しするだけですが、ものすごい解毒効果があるんです」
人生の役目は食の大切さを伝えること
茶色い皮だけで作れば無味無臭。4、5玉分の皮に水1lが目安。
「私はそのまま飲んでいますが、おみそ汁などお料理にも使えます。皮を捨てるなんて、もったいないです!」
食事習慣を変えたことで人生まで変わり、52歳の今が一番元気で前向きになれているというちゃおさん。
「闘病中、自分に残された人生の役目は何かをよく考えていました。食の大切さを伝えることだと、今ははっきりわかります。だから病気を経て今の自分になれて本当によかった!」
ロカボブラウニー
材料(4人分)
アーモンドプードル……40g
カカオパウダー…………40g
ココナツオイル…………40g
卵…………………………2個
ベーキングパウダー……10g
糖質ゼロ甘味料(ラカント)※
………………………40g
水……………………1/2カップ
作り方
1・材料をすべてボウルに入れてしっかり混ぜ合わせる
2・耐熱容器に移し、蒸し器で20分蒸す
3・粗熱がとれたら冷蔵庫で半日ほど冷やせば完成
※たとえ糖質ゼロでも人工甘味料で甘みは足さない。ラカントのような自然由来の甘味料を使用して
取材・文/冨田ひろみ
ちゃおさん 1972年12月生まれ。25歳でがんになり10年に及ぶ闘病生活を経てヘルスコーチに。'19年にヨガ・リンパマッサージのサロンを開き、受講生の生活改善サポートも行ってきた。独自の食養生メソッドやレシピを以下で公開している。