【スクワットNG、ウォーキングも大した意味は…】ひざのために一番重要な運動は“貯筋”だった!《専門医が解説》

2025年5月1日(木)7時0分 文春オンライン


膝の若さを保つために「歩くこと」はどのくらい有効なのか? 埼玉協同病院整形外科部長の桑沢綾乃氏が「膝のアンチエイジング」を具体的に解説します。



◆◆◆


「貯筋」を増やすことが重要


 今回のテーマはアンチエイジングなので、膝の若さを保つための具体策についてお話しします。


 膝の機能を維持するうえで特に重要な働きをしているのが大腿四頭筋です。この筋肉を強化するにはどうしたらいいのでしょう。



膝の若さを保つために「歩く」ことは大した意味を持たないという(写真はイメージ)©aflo


 膝の症状を訴えて受診された高齢の患者さんに、「膝のために何か運動をしていますか」と訊ねると、多くの人が「よく歩くように心がけている」と答えます。じつはこの「歩く」という行為、膝の若さを保つうえでは大した意味を持っていません。


 もちろん歩くことは全身を使った有酸素運動で、気分転換にもなるので健康維持には役立つのですが、こと「膝の健康」にはとても有意義だとは言い切れない側面があります。


 というのも、二足歩行は人間という生物にとっては根源的な運動であって、それをいくらやっても膝の筋力強化の効果には乏しく、逆に軟骨には体重の負荷をかけています。歩くだけで筋力が増強するなら高齢者はみな転ばないはず。スポーツ選手は筋力を付けるために付けたい筋肉に強力な負荷をかけ続け、身体を作ります。膝も、大腿四頭筋にある程度負荷をかけなければ筋力強化にはならないのです。


 膝のアンチエイジングで一番重要なのは、関節周囲の筋肉を増やすこと。これを私は「貯筋」と呼んでいます。貯筋をするうえで最も効果的な取り組みは、筋力強化、つまり「筋トレ」です。


 膝周囲の筋力強化に役立つ筋トレと言うと、「スクワット」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、これもNG。スクワットは体重を膝に乗せた状態で立ったりしゃがんだりを繰り返す運動。つまり、膝の関節に余計なダメージを与えてしまうのです。膝の関節の変形が始まっている人がスクワットをすれば、変形を助長することになります。



※本記事の全文(約3500字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「 文藝春秋PLUS 」と、「文藝春秋」2025年5月号に掲載されています(桑沢綾乃「 【ひざ】ウォーキングより『足上げ』運動 」)。全文では、肩のアンチエイジングに効果的な体操を図解入りで解説してます。



(桑沢 綾乃/文藝春秋 2025年5月号)

文春オンライン

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