マイホームの次に高い買い物と言われる「保険」。世帯平均は年間約37万円にも!専門家「よく見る<保険の無料相談>の裏側、実は…」【2025マネー記事セレクション】
2025年5月8日(木)6時30分 婦人公論.jp
(写真提供:Photo AC)
2024年に『婦人公論.jp』で反響を得た「マネー」に関する記事から、今あらためて読み直したい1本をお届けします。(初公開日:2024年11月21日)
*****「保険に入ろうと思っているけれど、何から手を付けていいかわからない」「保険選びってよくわからないから、誰かに相談したい」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そんななか「保険は、人生の中でマイホームの次に高い買い物。ムダな保険を見直すだけで大きな節約になる」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんです。そこで今回は、長尾さんの著書『1日1分読むだけで身につく保険の選び方大全100』から、保険選びに役立つアドバイスを一部ご紹介します。
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保険は人生で二番目に大きな買い物!?
日本人の約8割が何らかの保険に加入しています。
では、生命保険の保険料はどのくらい払っているのでしょうか。
生命保険文化センターの調査によると、世帯平均で年間37.1万円(月額約3万円)です。
男性の平均は20.6万円(月額1.7万円)、女性の平均は16.0万円(月額1.3万円)です。
生命保険は超長期の契約です。20年間、30年間、長ければ40年間も払い続けることがあります。
年間37.1万円だとすれば、20年間の総支払額は742万円、30年間では1113万円になります、人生の中でマイホームの次に高い買い物が保険だと言われるのも、うなずけるのではないでしょうか。
家計の中で、保険料は大きなウエートを占めています。ムダな保険に入っていることは、家計にとってもムダでしかありません。逆に言えば、保険を見直すだけで大きな節約になるわけです。しかも、一度見直すと節約の効果はずっと続きます。
<『1日1分読むだけで身につく保険の選び方大全100』より>
人に勧められたからという理由で入る失敗
人生の中で二番目に高い買い物である「生命保険」。みなさん、どうやって選んでいるのでしょうか。
半数近くが、加入した理由に営業員をあげています。これは、人に勧められたから、その保険に決めたことを意味します。
『1日1分読むだけで身につく保険の選び方大全100』(著:長尾義弘/自由国民社)
また、ほかの商品と比較したかという質問には、約7割が比較していないと答えています。こういう選び方は失敗の元です。
家電製品などを購入する際、同じような商品をいくつか比べませんか。
たしかに保険は商品の数が多く、しかも複雑です。ですが、何百万円もするものを比較もせず、人任せで購入するなど無謀としか言えません。
これで「自分は正しい保険を選んだ」と自信を持っているなら大間違いです。筆者の経験からすると、保険の相談のなかには驚くほどヒドい契約内容もあります。
さらに、約6割の人が保険の営業員を通じて加入しています。この保険営業員とは、ほとんどが一社専属です。したがって、他社の商品とは比較ができません。
親身に相談に乗ってくれても、提案されるのは自社の商品のみです。超高額の商品なのですから、しっかり比較して選びましょう。
保険の無料相談は、ボランティア?
駅前やショッピングセンターにある無料の保険相談なら、複数の会社の商品を紹介してくれるのでは?
そう思いますよね。一社専属とは異なり、商品の比較は可能です。
しかし、無料相談はボランティアではありません。保険を売ることが仕事です。
もし「この人に保険は必要ない」と思っても、「保険は不要ですよ」とは言わないでしょう。
相談員(保険募集人)にとっては、保険の売上が営業成績となり、給与やボーナスにつながっていくのです。
無料相談では、必要な情報を必ず得られる?
顧客は、自分に合った保険商品をできるだけ安い保険料で契約したいと考えています。
一方、相談員は顧客の意向に添いつつ、できるだけ販売手数料が高く、総額保険料の高い商品を契約してほしいと思っています。
このように双方の思惑が食い違う状態を、「利益相反の関係」といいます。
また、相談員のほうが保険商品について詳しく知っています。
そのため、都合のいい情報は教えてくれますが、その商品がほかと比べて不利な点などは伏せておくことがあります。
これを「情報の非対称性」といいます。
保険の無料相談では、自分に必要な情報を必ずしも得られるわけではないのです。
<『1日1分読むだけで身につく保険の選び方大全100』より>
※本稿は、『1日1分読むだけで身につく保険の選び方大全100』(自由国民社)の一部を再編集したものです。
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