病の宣告、友人知人の不幸、お金の問題…想定外が増える「60代」。名医オススメ<不安解消のカギを握るカンタン習慣>とは?
2025年5月20日(火)6時30分 婦人公論.jp
(写真提供:Photo AC)
「自律神経は50歳を過ぎると、野生動物であれば自然界で生きられないレベルまで下がる」——。そう語るのは、自律神経の名医・順天堂大学医学部の小林弘幸教授です。避けて通れない<老い>の真っただ中で、自律神経を整えて楽しく過ごしていくためには、どのような習慣を身に付けたら良いのでしょうか?今回は、小林教授の著書『老いが逃げていく10の習慣 自律神経さえ整えばすべてうまくいく』から、すぐに実践できる<老いない習慣>を一部ご紹介します。
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常に何があっても大丈夫な状況をつくっておく
例えば、夕方冷え込むかもしれない春先のある朝。天気予報では雨が降る確率は50%となっているとします。
上着を持って行くか、傘を持って行くか、悩むところですが、皆さんならどうしますか?
私の場合、こういう日は上着も傘も鞄に入れて必ず持って行きます。その分鞄は膨らんで重くなりますが、安心感には代えられません。
自律神経の視点で見ても、上着も傘も持って出るのが正解です。自律神経は想定外が一番苦手なので、できる限り想定内を増やしてあげることが、良い影響を与えるからです。
60歳を過ぎると、想定外が増えてくる
60歳を過ぎると、想定外が増えてきます。あまり物事を悪い方向へ考えるのは好きではありませんが、明日がんを宣告される可能性も、20代30代に比べればぐんと増えます。
転んでけがをする可能性も高まりますし、友人知人の不幸も増えてきます。「前回お会いしたのはあの方のお葬式でしたね」などという会話も増えてきます。
地震や災害、事故に遭う確率は20代30代も変わりませんが、万が一のときの心や体のリカバリーは、若いころに比べると相当厳しくなります。
つまり、いつ晴天の霹靂があってもおかしくない、そういう時間の中、今を生きていかなければならないのが60代以降。だからこそ、一事が万事、備えることが大切になります。この備えのカギを握るのが、「片づけ」です。片づいていることは不安の解消につながるからです。
お金の管理
お金の管理も同じです。資産がどういう状態になっているか、はっきりさせておくことは、自分はもちろん、家族の安心にもつながります。
コツは誰が見ても分かるよう「シンプルにまとめること」です。
(写真提供:Photo AC)
私の場合、ノート一冊にすべてまとめてあります。
預金、株など手書きで書いて、この一冊があればすべてOK! という状況にしてあります。
60歳以上の三大不安要素
60歳以上の三大不安要素といえば、健康・お金・孤独です。これらも、日々の片づけを習慣にすることである程度解消できます。
片づけて体を動かすことで、運動になります。健康維持につながることで医療費節約にもなります。一日の暮らしを整理して行動すれば、無駄な出費も防げます。
時間を決めて片づければ、集中力が増して充実感を得られるので、孤独感もまぎれます。
※本稿は、『老いが逃げていく10の習慣 自律神経さえ整えばすべてうまくいく』(講談社)の一部を再編集したものです。
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