洋服はマニッシュ、髪形はモヒ…産婦人科医・高尾美穂が実践する<自分を幸せにする方法>。大切なのは「日常生活を快適にすること」
2025年5月27日(火)6時30分 婦人公論.jp
(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
人間関係や生き方・働き方などに、悩みや不安を抱えて生きている人は多いことでしょう。産婦人科医の高尾美穂さんは、長年さまざまな患者の心と体に向き合ってきた経験から、「ひとりひとりが自分の人生をよりよく生きられるヒント」をアドバイスしています。今回は、そんな高尾さんの著書『人生たいていのことはどうにかなる あなたをご機嫌にする78の言葉』から一部を抜粋しお届けします。
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私が幸せでいるためにしていること
好きなものに囲まれて過ごす、これが私のこだわりです。
好きなお洋服は「マニッシュでサイズが合っているもの」。好みははっきりしていて、靴はお気に入りが古くなると、靴底を張り替えて履き続けるくらいです。洋服はメンズライクなものが好きですが、メンズのものはサイズが合わないので、シャツやジャケットはレディースのもので好きなデザインを探しています。
好きなものに出合えることは多くはないので、今持っているものは20年かけて少しずつ増えてきたものです。ネクタイは、お友だちに手縫いで長さを短くしてもらったり、海外ブランドのボーイズのネクタイを買ったりしています。
好みは高校生のときから変わっていないですね。だから、高校生のときに買ったクリーム色のコーデュロイのジャケットは、今でも着ています。
こだわりというより私らしさの1つ
「モヒ」(ヘアスタイル)もこだわりですか?ってよく聞かれますが、これは乾きやすくてセットがいらない便利な髪形。
もともと右分けの七三だったのですが、分け目が薄くなってきたので、美容師さんに相談して分け目を左にしようとしたんです。でも髪の毛がうまく寝なかったので、ちょっと真ん中に寄せてみたら、私の大好きな「タンタン」みたいになって、「いいんじゃない?」と。
『人生たいていのことはどうにかなる あなたをご機嫌にする78の言葉』(著:高尾美穂/扶桑社)
それ以来のスタイルで気に入っていますが、今はこだわりというより、私らしさの一つになっています。
好きなものに囲まれるというのは、快適さにつながると思うんです。こだわりというのは、自分の体やメンタルの状態を快適にするためにできること、とも言いかえられると思います。自分がどういう状態でいたいと思っているのかを探し、自分を満足させる、というイメージです。
自分の幸せのためにできることは案外身近にある
また、「空を見ること」も大好きです。空っていいなと思うのは、どこまでもつながっていて、みんなもこの空を見ているんだな、みんな同じ空の下にいるんだなと思えたりするからです。見上げると胸が広がるから、呼吸もしやすくなる。呼吸を意識できないときは、空を見上げる時間をもつのもおすすめです。
ほかには、「炊きたてのご飯を食べること」が好き。だから、ご飯は少しずつ、しょっちゅう炊いています。
「お腹が空いたらご飯を食べる」というのもこだわり。逆にお腹が空いていなかったら食べません。だって、お腹が空いているときに食べるのって、幸せじゃありませんか。そう考えると、自分の幸せのためにできることって、案外身近にあるのかもしれません。
こうお話しすると食事にこだわっているように思われそうですが、たとえばお茶碗の形とか重さとかにはこだわりはありません。あるとしたらお箸で先が細いものが好きですね。外科系のドクターならわかると思うのですが、手術で使うピンセットは先が細いんです。先が細いほうが、小さな力で細かい動きができる。だからお箸も、先の細いものが好きなのかなと思います。
1日24時間を8時間ずつに分けて考えてみる
日常の快適さについて考えるとき、1日24時間を8時間ずつ三つに分けて考えてみるとわかりやすいかと思います。24時間のうち、8時間は働く時間、8時間は眠る時間、そして残りの8時間が好きなことができる自分のための時間。
この「自分のための8時間」をどう使うかを、しっかり考えることが大事です。「自分のための8時間」には、通勤時間やお子さんのお迎えの時間なども含まれますから、それらを除くとずっと短くなります。私はなるべくこの時間を長くとるために、通勤時間がかからない職場の近くに住み、満員電車のストレスを減らすために大好きな自転車で通勤するという選択をしています。
日常生活にはがんばらなきゃいけないことが多いですが、この「自分のための8時間」の中で、「今はがんばらなくていい」という時間をもつことが大切だと思っています。
私にとっては、ソファ代わりでもあるベッドで猫たちと一緒にゴロンとして本を眺めている時間です。だから、その空間が快適な状態であることはすごく大事で、朝起きたら必ずベッドメイクをして整えています。シーツ類は毎日肌に触れるものですから、肌触りのよいものにしていますし、きちんと洗濯するようにもしています。リラックスできているときのその空間が快適であることも、とても大事です。
大切なのは、日常生活の一コマ一コマを自分が快適と感じているかどうか。もし快適じゃないと気づいたら、それを流してしまわず、すぐに変える。たとえば私が長年持っているお気に入りのお洋服の中には、背中の幅がちょっと窮屈になってきたシャツがあるんです。着られないわけではないけれど、ちょっと動きにくい。そんなとき、もしお気に入りだったとしても、仕方ないよねと手放す。快適さのために前向きにする判断です。
※本稿は、『人生たいていのことはどうにかなる あなたをご機嫌にする78の言葉』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
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