大阪万博に7回行った旅行ジャーナリストの「推し」パビリオン6選と「長蛇の列」攻略のヒント

2025年5月28日(水)21時25分 All About

現在開幕中の大阪・関西万博に7回行った旅行ジャーナリストが「推し」パビリオン6選と、おすすめ入場方法を紹介。

大阪・関西万博には、180以上ものパビリオンがある。各分野で活躍するプロデューサーたちによる「シグネチャーパビリオン」が8館、「国内パビリオン」が27館、そして158の国・地域による「海外パビリオン」が大屋根リングの内外に並ぶ。
地元・大阪在住の旅行ジャーナリストでAll About「国内旅行・海外旅行」ガイドでもある筆者が、これまで海外パビリオンを中心に入場して「ここはおすすめ」というパビリオンを抜粋して紹介する。

満足度の高いパビリオンはこの2つ! 並ぶタイミングも大事

まず、今回の万博で最も評価が高いパビリオンの1つが「イタリア」だ。筆者は予約なしで1回、予約ありで1回入場した。

イタリア館

公式アプリや万博公式Webサイトでの予約はかなり厳しいうえ、予約なし・2時間待ちの表示で「6時間待った」という声もあるが、実際に行ってみると満足度は高かった。
館内では、紀元2世紀の彫刻『ファルネーゼのアトラス』やカラヴァッジョの『キリストの埋葬』、レオナルド・ダ・ヴィンチの『アトランティック・コード』のほか、5月18日からミケランジェロの彫刻『キリストの復活』を追加で公開するなど、展示内容が他のパビリオンより充実している。
最上階にあるレストランは「Eataly(イータリー)」プロデュースで、週替わりでイタリア各州の料理を提供することから連日行列ができている。

サウジアラビア館

万博の次回開催国である「サウジアラビア」もおすすめ。スーク(市場)をイメージしたパビリオンでは中東の雰囲気が満喫できるほか、レストランやカフェも人気が高い。
日中は入場時に長い行列ができているが、歩きながら見学するスタイルのため列の進み具合は早い。特に平日夕方以降は空いていることが多く、待ち時間なしで入場できることも。
入国が困難な国のパビリオンもぜひ攻略したい万博ならではの体験ができるパビリオンとして、筆者は「トルクメニスタン」を推したい。世界で最も入国が難しい国の1つで、観光ビザが取得困難な独裁国家である。

トルクメニスタン館

まず外観が素晴らしく、多くのパビリオンが立ち並ぶ中でひと際目に付く。館内では、国馬や国犬などのシンボルを「これでもか!」というほどの大迫力映像で映し出し自国をアピール。2階の展示スペースには日本語の教科書や国内生産の「洗剤」などが並び、バルコニーからの眺めも楽しめる。3階のレストランでトルクメニスタン料理を味わうこともできて、「行きたくても行けない国」を体験できるのは万博ならではだ。

ヨルダン館

また、「ヨルダン」の砂漠体験も一押し。映画『スター・ウォーズ』『アラビアのロレンス』などの撮影ロケ地として知られる赤い砂漠「ワディ・ラム」から約20トンの砂を船便で運び込んでいる。パビリオンに入場すると360度の円形シアターでは裸足で砂の上に座る体験ができる。
併設のカフェで販売するコーヒーは、中東らしいカルダモン風味。本場ヨルダンならではのデーツと共に味わえていい。

現地観光の「予習」にもなる人気国のパビリオン

日本人の海外旅行先としても人気の国は、現地観光の予習としてパビリオンを訪れるのもいい。

フランス館

「フランス」も、おすすめパビリオンの1つ。「愛の賛歌」をテーマにルイ・ヴィトンやディオールなど世界的なブランドとコラボレーションした展示は、一見の価値がある。随所にフランスらしいセンスあふれるデザインが感じられ、誰にとっても総じて満足度の高いパビリオンと言える。
人気パビリオンのため入場待ちの長い列に諦めてしまいそうだが、フランス館の待ち時間は意外なほど少ない。筆者が20時過ぎに行った時には待ち時間なしで入場できた。1階にあるベーカリー&パティスリー「La Boulangerie(ブーランジェリー)」万博限定クロワッサンなども人気だ。

台湾館

台湾の最新テクノロジーが集結する「TECH WORLD(テックワールド)」は民間企業による出展ではあるものの、実質的には台湾パビリオンの役割を果たしている。世界最先端の半導体技術や自然・文化の紹介が行われ、来場者はグループごとに回る形式になっている。
特にASUS製タブレッド端末560台が取り囲むスクリーン映像のデジタルショーは圧巻。来場者には日替わりでギフトがプレゼントされ、台湾のライフスタイルブランド「神農生活」の万博限定ショップもある。

パビリオンの待ち時間を知る方法と「空いている時間」

他にも、ジャングルを再現した館内を歩く「インドネシア」、美しい生歌声が聴ける「ハンガリー」、さらに開幕から遅れてオープンした「インド」も多民族国家ならではの歴史があるだけに展示が充実している。1日や2日では、到底制覇できない規模である。
パビリオンは「完全予約」「予約優先」「予約なし」などに分かれており、並べば必ず入れるとは限らない。開幕当初とは予約方法が変更されたパビリオンもあるため、訪問前に最新情報をチェックしたい。
予約なしで入場できるパビリオンは「朝10時半ごろまで」と「夕方以降」が、日中より空いている。
来場日時予約は朝9時〜、10時〜といった時間枠が早々に満員になるためそもそも予約が取りづらいことと、遠足や修学旅行、旅行会社主催の万博ツアーが夕方には帰路につくためだ。
昼過ぎには数時間待ちの長蛇の列でも、タイミングがよければ待ち時間なしや10分足らずの待ち時間で入場できるケースもある。人気パビリオンは特に、空いている時間を狙って訪問したい。

この記事の筆者:シカマ アキ
大阪市出身。関西学院大学社会学部卒業後、読売新聞の記者として約7年、さまざまな取材活動に携わる。その後、国内外で雑誌やWebなど向けに取材、執筆、撮影。主なジャンルは、旅行、飛行機・空港、お土産、グルメなど。ニコンカレッジ講師をはじめ、空港や旅行会社などでのセミナーで講演活動も行う。
(文:シカマ アキ)

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