筋肉量が老後を左右する⁉サルコペニア対策で若々しいからだへ

2023年8月9日(水)17時10分 ココカラネクスト

 「最近、階段の上り下りがつらくなった」「重い荷物を持つのが困難になった」と思ったことはありませんか?

その背後には、知らず知らずのうちに進行している「サルコペニア」がひそんでいるかもしれません。この記事では、サルコペニアとは何か、どのように予防・対策できるのかについてご紹介します。

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1.サルコペニアとは

サルコペニアは、ギリシャ語の「sarx」(肉)と「penia」(欠乏)から派生しており、直訳すると「肉の欠乏」を意味します。この名前が示す通り、年齢とともに筋肉量が減少する現象を指します。

筋肉量の減少は30歳頃から進行が始まり、生涯を通して進行します。とくに、60歳を過ぎると筋肉量の減少率は加速し転倒や骨折のリスクを高め、生活の質(QOL)の低下を引き起こします。

したがって、普段から筋肉量の維持を心がけ、健康寿命を延ばすための対策が必要となります。(※1)

2.今すぐ始めるべきサルコペニア対策

筋肉量の低下は、日常生活でいくつかの工夫をすれば食い止めることが可能です。具体的に次のようなことを意識して生活してみましょう。

2-1.筋肉負荷を増やす
足腰の筋肉を使う機会を増やせば、筋肉負荷は増えます。近場の移動は車や自転車を使用せず、歩くようにしてみましょう。サルコぺニア予防には、男性で1日8000歩、女性は7000歩以上の歩行が必要といわれています。(※2)

ウォーキングを実践している場合は、坂道のあるコースを選んだり、早歩きを取り入れたりするだけでもさらに筋肉に負荷をかけられます。

また、できるだけ階段を使うのも有効です。駅では階段を利用したり、負担を感じる場合は、2回に1回は階段を選ぶ、下りだけは階段を使用するなど無理のない範囲で取り組んでみましょう。

2-2.たんぱく質・アミノ酸の摂取
また筋肉を作るために欠かせないのが、たんぱく質から成るアミノ酸です。とくに注目したいのが、筋肉合成を促進する力がある「ロイシン」です。

ロイシンが豊富に含まれている食材は、牛肉、レバー、低脂肪でたんぱく質が豊富な鶏むね肉、豆腐や納豆などの大豆製品、アジ、サケ、かつお節などの魚介類などがあげられます。

通常の食事を摂れていれば、不足することはあまりありませんが、バランスの良い食事を心がけましょう。

3.サルコぺニア対策に漢方薬という選択肢

サルコペニアは筋力の低下や筋肉量の減少に加えて、栄養不足や活動量の低下も原因と考えられています。適切な食事や運動に加えて、漢方薬の活用も有効な手段のひとつです。

サルコペニア対策には、以下のような働きをもつ漢方薬が用いられます。

・血行をよくして全身の筋肉に栄養を届け、筋肉の機能を回復させる
・ホルモンバランスを整え、年齢による筋肉機能の衰えを整える
・加齢による足腰の衰えを補う
・消化・吸収機能を高めて栄養を全身に届け、心とからだを元気にする

漢方薬は根本的な体質改善にアプローチするため、日常生活の対策と適切な漢方薬を併用することで、健康的な筋肉量と筋力維持、増進に役立つでしょう。

<サルコペニア対策におすすめの漢方薬>

人参養栄湯(にんじんようえいとう)
体力低下や食欲不振があるときに元気を取り戻すのを助けてくれます。手足の冷えや貧血などの症状がある方におすすめです。

六君子湯(りっくんしとう)
体力がなく、胃腸が弱い人に向いています。全身倦怠感、食欲不振、胃もたれ、下痢や胸焼けなどの症状に用いられます。また、既存研究で、六君子湯の主成分であるグレリンが成長ホルモンの分泌を促し、筋肉量の増加にも関係しているという報告があることから、サルコペニアの軽減にも寄与することが期待されます。(※3)

漢方薬が自分の今の状態に合っていない場合は、効果がないだけでなく、副作用が生じる場合もあります。初めて服用する場合は漢方に精通した医師、薬剤師へのご相談をおすすめします。

不調を手軽に改善したい方におすすめなのが、「あんしん漢方」のようなAI(人工知能)を活用した新しい漢方相談サービスです。「オンライン個別相談」を利用すれば、漢方に詳しい薬剤師にスマホで気軽に相談ができ、体質に合った漢方をお手頃価格で自宅まで郵送してもらえます。


●あんしん漢方

4.筋肉アップで、いつまでも元気に!

サルコペニアは、中高年にとって大きな問題ですが、普段の生活習慣を見直すことで予防や改善を目指せます。自身の体力低下をただの老化だと決めつけず、サルコペニア対策を実践し、健康で活力ある日々を送りましょう。

参考サイト
(※1)順天堂大学大学院医学研究科スポートロジーセンター 「Sportology to Prevent Locomotive Syndrome」Juntendo Medical Journal」Muneaki Ishijim., et al.2016. 62 (Suppl 1), 44-49
(※2)健康長寿ネット「高齢者に適したウォーキングとは」
(※3)日本老年医学会雑誌「加齢性サルコペニアのメカニズムとグレリンによる治療介入の可能性」2009 年 46 巻 4 号 p. 330-331

[文:あんしん漢方]

<この記事を書いた人>あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

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