「家族性高コレステロール血症」をご存知ですか?
2022年9月29日(木)20時30分 ココカラネクスト

コレステロールといえば、「高い」か「低い」か、また「悪玉」なのか「善玉」なのかということを良く耳にされると思います。
あまりいいイメージのない、コレステロールですが実は大切な役目を担っています。
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まずコレステロールとは…
私たちの血液中にある脂質の主なものはコレステロールと中性脂肪です。
コレステロールの主な役割は3つあります。
1.細胞表面を包む細胞膜を強くする成分。
2.男性ホルモンや女性ホルモン、副腎皮質ホルモンなどの原料。
3. 消化吸収に必要な胆汁の成分の胆汁酸の原料。
食べ物が口から入り、その後分解され、肝臓でつくられたコレステロールや中性脂肪は、体のすみずみまで運ばれます。
どちらも脂質なので水に溶けません。
そこで、血液を通じて運ぶために、タンパク質(LDLやHDL)と結合して、LDLコレステロール、HDLコレステロールなどに形を変えます。
LDLは全身にコレステロールを運ぶ役目をしていますが、LDLコレステロールは多くなりすぎると動脈硬化を引き起こすため、「悪玉」と呼ばれています。
一方、HDLは全身から不要なコレステロールを回収し肝臓に運んでくるのが役目で、HDLで運ばれるコレステロールをHDLコレステロールと呼びます。
こちらは動脈硬化を予防する働きがあり「善玉」と呼ばれています。
善玉・悪玉という名前で誤解されがちなコレステロールですが、高ければ・低ければ良いとわけではなく、適切な数値を保つことが大切です。
また、遺伝的にコレステロールが高くなる「家族性高コレステロール血症」という病気もあります。
生まれつき、血液中の悪玉コレステロールである、LDLコレステロールが異常に増えてしまう病気です。
LDLを肝臓で取り込む受容体に関係する遺伝子に異常があるため、LDLコレステロールが血液中で高くなり、若いころから高コレステロール血症となり、病気のない方に比べ早くに、心筋梗塞や脳梗塞を発症すると言われています。
日本の家族性高コレステロール血症の患者さんの総数は、およそ30万人と推定されていますが、本人が気付かない場合が多いと言われています。
コレステロール値は健診ではよく引っかかりやすい項目ですが、高い場合は放置してはいけません。
心筋梗塞や脳梗塞を予防するためにも定期検査を受け、自分の身体の状態を「知る」ことがまず健康への第一歩です。
[文:銀座血液検査ラボ -ketsuken-]
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