UFO出現で降り注ぐ粘着物質「エンジェルヘア」とは? 1500年間で225例、科学者も熱視線

2022年10月14日(金)17時0分 tocana

 鮮やかに光り輝いたり、物理法則に反した挙動を見せるなどUFO(未確認飛行物体)/UAP(未確認航空現象)にはいくつかの特徴があるが、その中に「エンジェルヘア(天使の髪の毛)」と呼ばれる実に奇妙なものがある。UFOの出現に伴い、まるで天使の髪の毛のように優美に微細で粘着質の物質が降り注いでくる現象が数多く報告されているのだ。


■イタリア・フィレンツェ:1954年

 1954年にイタリアのフィレンツェのスタジアムでサッカーの試合中にUFOが目撃された有名なUFO集団目撃事件がある。


 英国営放送「BBC」も報じたこのUFO目撃事件だが、さらに興味深いのはUFOの出現後に上空からふわふわとした「エンジェルヘア」が降り注ぎ、多くの人々がその不思議な降下物を確認していることだ。


 1人のジャーナリストがスタジアムの近くでエンジェルヘアを採取してフィレンツェ大学の化学分析研究所に持ち込んだ。研究所のチームがエンジェルヘアのサンプルを分光分析したところ、ホウ素、ケイ素、カルシウム、マグネシウムの元素を含み、放射性は帯びていないことを確認した。しかしながら分析の過程でエンジェルヘアは分解し、蒸発してしまったという。


 いくつかの種類のクモは、クモの巣を気流に乗せて上空で移動することが知られており、このエンジェルヘアはそうしたクモの巣ではないかと指摘する元パイロットがいたのだが、何人かの専門家はクモの巣説を否定している。そもそも主成分の面からクモの巣であるとは考えにくいということだ。


■フランス・オロロン:1952年

 フェイレンツェの一件に先駆けた2年前の1952年、同じ現象がフランスのオロロン(オロロン=サント=マリー)で報告されている。


 目撃者である高校教諭によると、円柱形の物体が45度の角度で傾いて上空をゆっくり移動しており、オペラグラスを通して見るとその円柱の前には30機もの小さな球体型UFOが浮遊していたという。


 そしてこれらすべての浮遊物体から白い頭髪のような物質が降り注ぎ、電話線、木の枝、家の屋根に落ちてきたのだ。教諭が綿埃のような物質をつまみ取り、小さく丸めてみるとゼラチン状の物質に変化した後に跡形もなく蒸発してしまったということだ。


■オーストラリア・ビクトリア州:1953年

 1953年にはオーストラリア・ビクトリア州でエンジェルヘアのサンプルが回収されている。


 サンプルの成分を分析したところ、この物質は微量のマグネシウム、カルシウム、ホウ素、シリコンを含むナイロンのような非晶質(アモルファス)の塊で構成されていることが明らかになった。ヘアの長さは7.6センチ(3インチ)ほどあったのだが、気密容器に入れて保管した後には1.3センチ(0.5インチ)ほどに一気に縮んでしまったという。


■アルゼンチン・エントレリオス州:1963年

 1963年にアルゼンチンでUFOの飛行が目撃された後、エンジェルヘアが回収されている。落ちてきたガラス状の繊維を回収して分析したところ、成分はシリコン、ホウ素、カルシウム、マグネシウム合金であることがわかった。


 UFO研究者でパイロットのブライアン・ボールドマン氏は、2001年にエンジェルヘアに関する大規模な調査を行い、西暦679年から2001年までの間に225例が記録に残されていることを突き止めている。


「エンジェルヘアのケースの57%はUFOの目撃報告に関係しており、これはかなりの数であり、2つの現象を強く結び付けています」(ブライアン・ボールドマン氏)


■エンジェルヘアは西暦196年にさかのぼる

 一説では1917年10月13日にポルトガルのファティマで起きたいわゆる「太陽の奇跡(Miracle of the Sun)」の後にもエンジェルヘアの降下があったともいわれているようだ。


 天文学者で惑星科学者のリチャード・ストーサーズ氏による「Unidentified flying objects in classical antiquity(古典古代における未確認飛行物体)」と題されたNASAの論文では、これらの神秘的な物質についての報告は古代にさかのぼることが指摘されている。


 ストーサーズ氏によればエンジェルヘアの最初の例は西暦196年にローマの政治家で歴史家のカッシウス・ディオによって拾われたものであるということだ。


 前出のブライアン・ボールドマン氏はエンジェルヘアの事例が本物のUFOに関連しているという証拠は圧倒的であり、それらが現実であるというより多くの証拠を提供すると結論付けた。UFOとエンジェルヘアのどちらについても科学界は真剣な眼差しで注目しているようだ。再び新たなサンプルが採取され精密な成分分析が行われることを期待したい。



参考:「Howandwhys」、ほか

tocana

「UFO」をもっと詳しく

「UFO」のニュース

「UFO」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ