鹿角市に子ども『だけ』のまち、あらわる

2024年12月20日(金)8時0分 ソトコト


11月23日勤労感謝の日。子どもたちが職業体験をするイベントが秋田県鹿角市で開催されました。


と、他人事のように書き出してみましたが、何を隠そう私も開催スタッフの一人でした(笑)。イベント名は「しごとーーいかづの2024」。今回はこの素敵なイベントについてみなさんにお伝えしたいと思います。


「しごとーーいかづの」って?


まずは「しごとーーいかづの」ってなに? という質問から答えていきます。


「しごとーーいかづの」とは、2019年に開催された「しごとーーいあきた in 鹿角」をきっかけとして毎年鹿角市で開催しているイベントです。「しごとーーいかづの」は有志による実行委員会が中心となって実施しているイベントですが、今年はかづの商工会青年部様が主催、「しごとーーいかづの」実行委員会が共催で開催しました。


「しごとーーい」というのは「しごと」+「toy(遊び)」×「問い」の造語で、小学生を対象とした職業体験イベントです。(「とい」の意味が2つあるので「ー」も2つ付いてます)


ただの職業体験ではなく、お仕事をすると会場内で使える通貨が給料として支払われ、その給料の中から納税して、そして手元に残ったお金で買い物したり、遊んだり……という、大人の社会を体験できるイベントとなっています。


会場の中は保護者も入ることはできません。なので子どもたちは自分で考えながら仕事をしたり、お金を使ったり、納税したりといったことをしなければなりません。


子どもしかいないなら我々大人スタッフはどうするのか? というと、猫耳を着けて「おとにゃん」という妖精になり子どものまちの住民になります。おとにゃんはお仕事ブースで受付したり、お仕事の説明をしたり、困っている子どもの手助けをしたりといった活動をします。


ちなみに「おとにゃん」は猫耳を着けていますが、コアメンバーはトナカイの角を着けて「おトナカイ」と呼ばれたりしています。



こどものまちの楽しみ方


会場の玄関で受付をしたら、ステージに向かいます。ステージ横に行くと、こどものまちのパスポートがもらえます。


パスポートをもらったら入国審査です。「今日は何をしにきましたか?」と入国管理官のおとにゃんに聞かれるので、元気に「お仕事しにきました!」と答えます。



するとパスポートに入国証のハンコが捺され、いよいよこどものまちに入国です!



ちなみに今年の入国管理官をやってくれた中学生は、昨年まで「しごとーーいかづの」に参加してくれていた子たちです。参加者からスタッフに。そんな流れが生まれ始めています。


今年の「しごとーーいかづの」で体験できたお仕事は


銀行、税務署、図書館、お米やさん、音響やさん、スーパーマーケット、めがねやさん、縄文アクセサリーやさん、役所、議員、卓球やさん、研究所、かるた競技会、ゲームセンター、お菓子屋さん、病院、縁日、プリクラ機、お花屋さん、ブックオフ、サイフ&キーホルダーやさん、荷物置き場やさん


の計22種類。



子どもたちは興味のあるお仕事ブースに行き、「ここで働かせてください!」と元気に挨拶して、お仕事スタート!



そして今年は初の取り組みとして、子どもたちが起業できるようになりました。


起業したブースは、ネイルやさんと駄菓子屋さん、ジュースやさん。それぞれどうすれば自分で立ち上げたお仕事がうまくいくか創意工夫しているのが印象的でした。


「働くのが楽しくてお金余っちゃった」
「お母さんにお米とりんごを買ったよ」
「もう6年生で来年からは来れないからおとにゃんとして行こうかな!」


子どもたちがそれぞれ考えながらイベントを楽しんでいる様子を見て、私たちおとにゃんもとても充実した気持ちになりました。


この「しごとーーい」イベントは県内外で日にちをずらしたりしながら開催しています。イベント同士の横のつながりもあり、例えば「しごとーーいかづの」で稼いだお金を銀行ブースで預金しておくと、他の「しごとーーい」の銀行で引き出すことができるんです。もちろん翌年の「しごとーーいかづの」で引き出すこともできます。


そのためベテランの子は最初からお金を持っているので、そのお金で弟や低学年の子たちに色々と買ってあげたりする姿も珍しくなくなってきました。中にはおとにゃんにお菓子などを買ってプレゼントしてくれる粋な子どももいます。本当にいろんな考え方の子どもがいて、時にはおとにゃんである自分たちが逆に考えさせられたりもします。


こどもたちと地域の未来へ


このイベントの目的は大きく分けて2つ。


1つはイベントのタイトルにもあるように、子どもたちが働くことや社会の仕組みについて自分たちで遊びながら考えてもらうこと。


もう1つは地域の仕事に触れてもらうこと。鹿角市や近隣の事業者を中心にブース運営をしてもらうことで、子どもたちの将来の選択肢を増やしてもらいたいと思っています。


また今年、市外から参加している保護者から「こういう機会があると普段なかなか来ない鹿角市に来ることができている」という言葉を聞き、新しいイベントの意義を見つけることができた気がします。


「しごとーーいかづの」はまた来年、11月23日の勤労感謝の日に開催予定です。ぜひ多くの方に関わってもらいたいと思っています。


子どもたちの未来のために。自分の成長のために。

ソトコト

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