飲み会が増えるこの時期だからこそ知っておきたい 胸やけ・胃もたれを引き起こす逆流性食道炎とは?薬剤師が教える対処法

2023年12月26日(火)17時30分 ココカラネクスト

 最近なんとなく胃の調子が悪い。特に忘年会や新年会などお酒を飲んだり脂っこい食事をする機会が多いこの時期は胃もたれに悩まされる方も増える時期です。ただ心当たりのあるあなたは逆流性食道炎の予備軍かもしれません。今回は、逆流性食道炎の対処法を薬剤師がご紹介します。

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1.胃の不調の原因は逆流性食道炎かも?

逆流性食道炎は、胃の内容物が食道に逆流することにより、食道に炎症を起こす病気です。

主な症状は胸やけや胃もたれで、のどの違和感、声のかすれ、慢性の咳などの症状が出る人もいます。

逆流性食道炎は、食道と胃のつなぎ目の、下部食道括約筋という筋肉が緩むことで発症します。

下部食道括約筋は、食物が通過するとき以外は閉じていますが、この筋肉が緩むと胃から食道への逆流が起こってしまうのです。

下部食道括約筋が緩む原因としては、

(1) 加齢による変化
(2) 食べ過ぎ、早食いなどによる胃内圧の上昇
(3) 肥満、衣服による締め付けなどによる腹圧の上昇

などが考えられます。

加齢によるからだの変化はゆっくりと、しかし確実にやってきます。そのため、10代・20代のころと同じ食事や生活を続けていると逆流性食道炎になるリスクが高くなってしまうのです。

2.逆流性食道炎の対処法

逆流性食道炎の症状に心当たりがあっても、適切な処置を行えば症状を解消・緩和できるとされています。深刻な事態になる前に、しっかり対策をしていきましょう。

2-1.消化器科や胃腸科を受診
逆流性食道炎は、食道がんの原因にもなりうる病気です。

とくに、パレット食道がんは、逆流性食道炎などにより胃酸が逆流することで、食道と胃上部の接合部の組織に炎症を与え発生するといわれています。

違和感に気付いたら早めの受診をおすすめします。

2-2.食事や嗜好品の見直し
逆流性食道炎の一番の原因は生活習慣にあるといっても過言ではありません。

食べ過ぎや早食いは避け、脂っこい食事や、アルコール、炭酸飲料、喫煙はできるだけ控えましょう。

肥満による腹圧の上昇も逆流性食道炎の原因のひとつですので、おなか周りが気になる方は体重を減らすのも効果的です。

少しの工夫で逆流性食道炎の予防ができるため、まずは、生活習慣を見直すのが近道かもしれません。

2‐3.胃酸の逆流を防ぐ姿勢
逆流性食道炎の症状は、胃酸が逆流することで起こります。そのため、姿勢に気を付けることで物理的に逆流を防ぐことが可能です。

日常生活では前かがみの姿勢はできるだけ避け、食べてすぐに横になるのはやめましょう。

就寝時には、頭を高くすると重力で胃酸が逆流しにくくなります。また、左側を下にして寝るのも効果があるといわれています。

胃酸が逆流しにくい姿勢を意識しながら生活してみてください。

3.逆流性食道炎には漢方薬も使われています

毎日仕事で忙しいあなたにとって、生活習慣を変えるのは至難の業。そんなとき、漢方薬が力になってくれるのを知っていますか?

逆流性食道炎による不調には

・胃腸の消化機能を回復させる
・自律神経のバランスを整えてストレスが原因の胃酸分泌を軽減する
・からだを温めて胃の働きを改善する

などの働きを持つ漢方薬を選び、根本改善を目指しましょう。

<おすすめの漢方薬>
安中散(あんちゅうさん):胃腸を温めて痛みを抑えたり、胃酸の分泌を抑えたりする漢方薬です。逆流性食道炎をはじめ、胃炎、胃酸過多、胸やけなどに用いられます。

六君子湯(りっくんしとう):胃腸の働きを高めるとともに、胃の中に停滞している「水」を取り去る漢方薬です。胃炎、消化不良、食欲不振に用いられます。

漢方薬は自分の体質や症状にあったものを選ぶことが大切です。「あんしん漢方」なら、漢方のプロが自分に適した漢方薬を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が可能です。漢方薬もうまく使いながら、胃腸の不調を解消しませんか?


●あんしん漢方

4.胸やけ・胃もたれから解放されよう

逆流性食道炎は、加齢に伴うからだの変化と不摂生な食生活や生活習慣により発症のリスクが高まります。日常生活の小さな工夫で予防や緩和が期待できるのも事実なので、この機会に生活習慣を見直し、胃の不調とは無縁の生活を手に入れましょう。

[文:あんしん漢方]

<この記事を書いた人>あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

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