農薬や化学肥料を一切使わず安全で安心な農産物を届けたい。生産者と消費者のつながりを大切にする「三芳村生産グループ」の50年の取り組みと想い

2023年12月12日(火)8時0分 PR TIMES STORY

現在では当たり前の言葉になっている「有機農業」。しかし、南房総市では半世紀も前からその言葉を使っている生産者がいます。

高度経済成長期、私たち日本人の生活は豊かになりましたが、それと引き換えに自然環境の破壊や食品公害といった大きな問題が起こりました。 そんな中、「こどもには安全な食べ物を食べさせたい」という首都圏の消費者グループと、「安全な食糧を自分たちで生産したい」という南房総市の中央に位置する三芳地区の農家が手を組んで始めたのが、当時誰もがムリと言った 先駆的すぎる取り組みであった有機農業でした。

このストーリーでは、農薬や化学肥料を一切使わずに安全・安心な農産物の生産を50年続けてきた、三芳村生産グループの取り組みを紹介します。

近代酪農発祥の地のほか、南房総市の農業には様々な歴史が

私たちの住む千葉県南房総市は房総半島の最南端に位置し、農業や漁業といった一次産業が盛んです。なかでも農業については、花卉栽培は今から約900年前の南北朝の時代に外房の和田地区で、また、特産である枇杷は、今から約260年前に内房の富浦地区で、そして、酪農については約300年前の1728年、徳川吉宗が輸入したインド産の白牛を、本市の北部にある丸山地区の大井を中心とした「嶺岡牧(みねおかまき)」というところで飼育するよう命じたことから、近代酪農発祥の地と言われているように、さまざまな歴史を持つ地域でもあります。

食べ物に不安を抱き、突然訪れた首都圏の消費者 そして三芳村生産グループ発足へ

話は1973(昭和48)年、食べ物に不安を抱いた首都圏の消費者が、これまでの農業に行き詰まりを感じていた千葉県安房郡三芳村(現南房総市)の農家を訪れたことからはじまります。

この時、消費者が三芳村の農家にお願いしたことは、農薬や化学肥料などを使わない安全な食べ物の生産でした。当然、それまでの栽培が当たり前だと思っていた農家からは「理想論だ」「不可能だ」という声もあがりました。しかし、消費者の熱い思い(「日本の農業滅亡論」まで飛び出すほど)を聞きながら、これからの農業に対して果たしてこれでよいのか、とも考えるようになっていきました。

そして、生産者と消費者で多くの議論を重ねた結果、三芳村の農家18戸によって「三芳村生産グループ」が発足されました。

農薬や化学肥料を一切使わない栽培が先駆的であれば、それを支える仕組みも先駆的でした。それは、農家が価格を決定し、消費者が全量引き取るという仕組みに加え、顔の見える関係のための様々な仕組みでした。

規模拡大競争やコスト削減競争と別れを告げる以上、流通や市場に任せては立ち行かず、食べ手もまた消費者にとどまらず生産を支えてこそ初めて成り立つ、という考え方です。

以来今年で50年、農薬や化学肥料を一切使わない栽培を続けていると同時に、「信頼」に基づく農家と消費者の関係が続いています。農薬や化学肥料を一切使わない栽培と市場を介さない顔の見える関係、これが三芳村生産グループのこだわりなのです。

不安定な世界情勢に左右されない、「鶏」を活用した循環型農業

農薬や化学肥料を一切使わない栽培を実現するために編み出されたのが、「鶏を使った循環型農業」です。農家にとってはまだ有機農業という言葉さえない時代、販売はもとより調達も外部に頼ることができず、すべて身近に手にいれられるものでやりきるという覚悟でもありました。自分で食べる多品種少量な野菜を庭で作り、傍らに鶏が歩いている昔ながらの農家の風景をモデルにしていたのかもしれません。

畑では野菜が、そして田では米が採れ、人の口に届きます。余った野菜やコメは鶏のエサとなりその卵が人の口に届くと同時に 鶏舎には鶏糞がたまります。鶏糞や米ぬかは畑や田に戻り、野菜や稲の唯一といってよい肥料となります。すると畑では野菜が採れ田では米が…と、身のまわりにあるもので農が循環しているのです。言い換えると、肥料や農薬、輸入飼料に頼らない、自然の理に適った農業が確立できているのです。

不安定な世界情勢のため化石燃料や輸入資材が高騰し、厳しい現状が続いている農業。しかし、この循環型のおかげで我々の農は大きな影響を受けずに済んでいます。自然の理に適うことの普遍さを感じずにはいられません。

抗生物質や薬剤を与えず、健康なヒヨコから生まれる卵を重視

鶏舎では、10坪ほどの広い部屋に100羽ほどの鶏が雄雌入り混じって暮らしています。飛び・跳ね・走り回っています。人の背丈ほどもある一番高い止まり木にも一段一段飛びながら上がっていき、停まったり寝場所にしたりしています。 つまり縦横だけでなく、高さ方向含め自由気ままに動いています。 雌雄混合ですから交配も自然です。

開口は広く、室内にいながらでいながら自然の一部のようです。 風や陽が入ってきて心地良い場所を探して場所探しての砂浴びが好きです。雨が降ればずぶ濡れになりますし、遠くで獣の音が聞こえればピクリと反応します。

こんな風に飼うのが三芳村生産グループのこだわりです。つまり、「幸せなそうな鶏の卵はおいしい、健康な鶏ら生まれる卵がおいしい」ということです。

もちろん、抗生物質や薬剤は与えません。 餌は国産の、しかも農業副産物の ヌカ・くず小麦と、畑からの野菜クズです。そして鶏が産む卵の黄身はレモンイエローで、野菜の種類や量で季節により色合いや濃さが変わります。

消費者グループにとって卵は人気のひとつです。40年間この卵しか食べておらず、卵が少なければスーパーに買いに行かず我慢するという消費者もいます。卵を割った瞬間、白身と黄身がどれだけイキイキしているか、生きている命を頂くことがどれほどありがたいことか、安心がどれほどかけがのないことかを感じることができます。

農薬や化学肥料を一切使わない稲作は雑草との闘い。会員さんからの期待に報われる

農薬や化学肥料を一切使わない稲作は雑草との闘いです。栽培期間中は、人手で2〜3回、機械で1回の除草が必要です。いずれの場合も、泥に足を取られながら、田を端から端まで塗りつぶすような夏の作業であり、農家にとっては重労働です。とはいえ、農薬や化学肥料を一切使わない栽培がもたらす安心感、そして消費者の期待があるからこそ、報われると言います。

有機ならではの 草刈りをひとつ紹介します。ザリガニです。ザリガニは一般には害虫と考えられていますが、ここでは除草を手伝ってもらっています。ザリガニが捕食で動き回るときに水が濁り、それが日を遮り、草の生育が抑えられます。ただ、ザリガニは多すぎてもいけません。肝心の稲を切ってしまうのです。適当な数がいればよく、多いときには網でザリガニを追い回したりするのが、稲作の重要要素なのです。

また、一部では 刈った稲を竹の足場に架ける「はざがけ」を継承しており、昔ながらの収穫風景が秋の風物詩です。仲間が大勢集まり、稲穂を刈っては束にし、束にしては足場にかけていきます。一仕事のあと、仲間と労をねぎらいながら、稲を撫でた風に吹かれながら飲むお茶は格別です。

そんな、幸せそうな鶏の顔や、昭和な稲作の風景を思い浮かべながら 食べてみてください。おいしさとともに、命を頂いている尊さと、体が喜ぶことを感じられると思います。

生産者と消費者の繋がりを大切に、安全で安心な農産物の生産に取り組む

設立から48年間は、農家が農産物を車に載せ、直接首都圏の消費者まで届けに行きました。今でも月に一度は、直接首都圏の消費者を訪れ、農作業や野菜の出来を話します。また、田の草刈りや稲刈りの時期には「縁農」と言って、消費者が三芳を訪れ、農作業をお手伝いします。そして、秋には感謝祭を行い、農家と消費者で豊穣を祝います。

そんな農家と消費者のつながりは、今年半世紀を迎えました。先日、東京のホテルで祝賀会があり、50年の節目を祝うとともに、今後も農家と消費者双方の信頼関係を深めあうことを誓い合いました。

三芳村生産グループ代表の君塚弘和さんは「これからも安全で安心な農産物の生産に取り組みながら、より多くの方に私たちの取り組みを知っていただきたい」と話しています。

三芳村生産グループが生産した米や卵は、南房総市のふるさと納税の返礼品にも登録しています。ご興味ある方はぜひふるさと納税を通じお申し込みいただければと思います。

三芳村生産グループがお届けするふるさと納税のおすすめ返礼品

配送月が選べる 究極卵かけご飯セット(有精卵10個(割れ保証1個含む)と【2023年産】環境保全型米ひとめぼれ白米2kg)

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※在庫なしの場合がありますのでご注意ください。

※返礼品はほかにも、卵の定期便や米(玄米・白米)などあります。

【三芳村生産グループ】

所在地:千葉県南房総市山名1251

代表:君塚 弘和

設立:1973年(昭和48年)10月

電話0470-36-2274

(火・木・土の午前8:00〜午前10:30、その他の時間は留守番電話での対応となります。)

【千葉県南房総市ふるさと納税】

千葉県南房総市富浦町青木28番地

南房総市総務部企画財政課

電話0470-33-1001

南房総市URL https://www.city.minamiboso.chiba.jp/


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