返礼品のコメ確保できず「納税額返還」か「中身7キロ減」選択求める…岡山・吉備中央町に苦情殺到
2025年5月2日(金)12時40分 読売新聞
岡山県吉備中央町がふるさと納税の返礼品の米を確保できず、納税額の返還か、1口15キロを8キロに減らすかを選択するよう寄付者に意向確認したところ、約2週間で約700件の苦情が寄せられたことがわかった。町は「多大なるご迷惑をおかけし、心からおわびします」としている。
町は2014年度から返礼品として米を扱い、寄付者は年々増加。1万1000円の寄付で米15キロを送るとした24年度は、延べ約4万人から約10万5000口の申し込みがあった。
ところが、昨夏の猛暑で生産量が落ち込むなどし、今年5〜8月に送る予定の3000俵(1俵60キロ)が不足する事態に。町は配送の休止を決定し、24年度の寄付者のうち、この期間に受け取りを希望していた約1万1000人に休止を伝え、意向を確認する文書を4月17日付で送付した。
ただ、納税額の返還を選んだ場合には修正申告が必要となる可能性があり、「煩わしい手続きをさせられても困る」との苦情や、米の価格高騰からか「返金は求めないので15キロほしい」といった声もあったという。
また、町は当初、不足分について、1俵あたり3万3000円で追加調達しようと計画したが、返礼品の調達費を寄付額の「3割以下」とする国の基準を超え、75%に達することが今年4月に判明し、断念した。
町は24年度のふるさと納税返礼品で、米生産者に対して調達費とは別に支援金を支給。実質的に国の基準を超える額を支払っていたとして、県から今年2月に注意を促され、総務省からも報告を求められている。