「大川原化工機」えん罪事件国賠訴訟で東京都と国に改めて捜査の違法性認め約1億6600万円の賠償命じる東京高裁

2025年5月28日(水)14時7分 TBS NEWS DIG

神奈川県横浜市の化学機械メーカー「大川原化工機」をめぐるえん罪事件に絡み、会社の社長らが東京都と国に賠償を求めた裁判の控訴審で、東京高裁はさきほど、警視庁公安部の捜査の違法性などを改めて認め、都と国に賠償を命じる判決を言い渡しました。

「大川原化工機」の大川原正明社長ら3人は、軍事転用できる噴霧乾燥機を中国などに不正輸出したとして逮捕・起訴されましたが、東京地検は初公判の直前に起訴を取り消し、無実が明らかになりました。
大川原社長らは「事件はねつ造された」などとして東京都と国に損害賠償を求める訴えを起こし、東京地裁はおととし、捜査の違法性を認めおよそ1億6000万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
その後、双方が判決を不服として控訴。控訴審では、大川原社長らが新たな証拠として公安部の捜査メモを提出したうえで、「この事件はねつ造によってつくられた事件。それによって我々は被害を受けている」などと訴えました。

都と国「捜査に違法性はなかった」

一方、東京都と国は「捜査に違法性はなかった」と主張していました。
去年10月に開かれた裁判では、捜査に関わった警察官3人の証人尋問が行われ、警察官の1人が「捜査に問題があった」、「(立件する必要は)組織としてはない。日本の安全を考えるうえでも、全くない。決定権を持っている人の欲だ」と当時の捜査を痛烈に批判する異例の展開となりました。

東京高裁はきょう(28日)の判決で、公安部の捜査について「犯罪の嫌疑の成立にかかる判断に根本的な問題があった」、また3人を起訴した東京地検についても、「起訴するための合理的な根拠を欠いていた」として、捜査の違法性などを改めて認め、都と国に賠償を命じる判決を言い渡しました。
賠償額については、東京都と国に合わせておよそ1億6600万円とし、1審判決から増額しました。

判決後、東京高裁前で、大川原社長は「地裁に続いて、今回の判決もほぼ同じように違法性が認められた。警察・検察には、このようなことがないように検証していただきたい」と語りました。

TBS NEWS DIG

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