日米財務相会談、「為替レートは市場で決定」などの認識で一致…為替水準目標の要求は示されず
2025年4月25日(金)12時2分 読売新聞
記者会見をする加藤財務相(右)と日本銀行の植田総裁(24日、米ワシントンで)=鞍馬進之介撮影
【ワシントン=鞍馬進之介、下里雅臣】加藤財務相は24日、米ワシントンで米国のベッセント財務長官と会談し、為替レートは市場で決定されるなどの認識で一致した。米側から、事前に懸念されていた為替水準に目標を設ける要求などは示されなかった。
会談は約50分間行われた。為替を巡る協議では、〈1〉為替レートは市場で決まる〈2〉過度な変動や無秩序な動きは、経済と金融の安定に悪影響がある——との認識を再確認した。日米貿易交渉に関連して、為替についても「引き続き緊密かつ建設的に協議を続ける」ことで合意した。為替水準目標や、管理の枠組みを設ける話は出なかったという。
トランプ米大統領は今年3月、「日本や中国が自国通貨を切り下げれば、我々は非常に不公平な不利益を被ることになる」と日本を名指しでけん制し、今月20日にも「非関税不正行為」として為替操作を第一に挙げていた。このため、日本側は米国から何らかの要求が示されるのではないかと警戒していた。
また、会談で加藤氏は、米国の関税措置について「極めて遺憾だ。見直しを強く求める。(2019年に合意した)日米貿易協定との整合性に懸念がある」との認識を伝えた。日本で賃上げの動きが広がっていることや、物価が上昇基調にあることなど、国内の経済動向についても説明。「2国間の諸問題」についても話したといい、会談後の記者会見で「生産的な議論だった」と述べた。