代ゼミ寮にX衝撃、タワマン級で「無限に勉強できるなw」 食事付きの充実ぶり、その狙いは
2025年5月5日(月)12時0分 J-CASTニュース
大手予備校「代々木ゼミナール」の東京・新宿にある学生寮が、2025年4月下旬ごろからXで注目されている。家具家電付きで食事が提供されるうえ、高層階に位置するためタワーマンションのようだと住環境を評価する声もある。充実ぶりの背景を同校に取材した。
「18万で住めるの羨ましい」
話題になったのは、新宿駅から徒歩3分にある代ゼミ本部校「代ゼミタワー」の18〜24階にわたる学生寮「ベルヴュタワー寮」(男女別)だ。公式サイトを確認すると、個室は壁一面がガラス張りで、空とビルの眺めが広がっている。机をはじめ1人暮らしに必要な家具家電が備え付けられ、月1回は水回り清掃もある。
入寮日から退寮まで栄養バランスを考えた食事が休まず提供される。一方で各フロアはICカードで入出管理し、寮生同士でも部屋の行き来は禁じられている。入寮の可否は、大学受験科また個別指導スクールの年間コースの入学者を対象に、面接を通じて判断される。
寮費は月額18万円、入寮金15万円。なお新宿の家賃相場を住宅情報サイト「ライフルホームズ」で調べると、駅から徒歩1〜5分でエアコンが付いた10〜15平方メートルのワンルームといった条件で9万円程度だった。
Xでは、タワマンさながらの寮だとする投稿が拡散され、施設の充実ぶりに「今どきの代ゼミの寮はすごい!」「景色良すぎじゃない?」「ここなら無限に勉強できるなw」「勉強だけしていられる環境ってだけでも今考えたら相当ありがたいのに、風呂トイレ別食事付」「毎月水回り清掃してくれて新宿に18万で住めるの羨ましい」などと驚く声が出ている。
寮からは東大、京大合格者も輩出
代ゼミ広報企画部は28日にJ-CASTニュースの取材に答え、寮は08年4月に代ゼミタワー校と同時に始まったと説明した。「受験生が安心して学びに集中できる環境を整えることを第一に考えており、学生寮についてもその一環として整備しております」とのこと。
寮の定員は80人。24年度を含む近年では、東京大学や京都大学をはじめとする旧帝国大学、難関国公私立大学、そして多数の医学部への合格者を寮から輩出しているとした。
寮開設の背景には、校訓の「ここに集まった若者たちには大きな夢がある。この夢を育て、これを現実へと結びつける。これが代々木ゼミナールのレーゾン・デートル(存在理由)である」という理念が。これに基づき、「受験生にとって最適な学習環境を提供したい」という強い願いから「学習と生活が一体となった理想的な教育環境を構築すること」を目的にしたとしている。下記のようにも、住環境をめぐる考えを説明している。
「具体的には、近隣に存在した学生寮を統合することで、より充実した環境を整備しました。特に、地方から単身上京してくる学生や、海外の高校を卒業後に帰国受験する学生にとって、東京での一人暮らしは大きな負担となる可能性があります。
そのため、弊校の学生寮は、東京における家族のような存在として、共同生活を通して生活面での細やかな指導とサポートを提供し、生活面の不安を軽減することで、学業に専念できる環境を提供することをめざしています。個室設備、食事の提供などの住環境の充実も、まさにそのような思いからとなります」
選考基準は学力だけではない
地上26階、地下3階建ての代ゼミタワーについては、「コンピューター制御による免震・耐震・制震システムを採用しており、安全性と快適性を徹底的に追求して建設された、まさに究極の教育環境と自負しております」とも紹介。寮は「高層階ならではの静かで落ち着いた学習・生活空間となっております」としている。
入寮選考の主な基準は下記のように説明した。
「明確な目標意識を持ち、他の寮生と切磋琢磨し、困難な時には励まし合い、喜びを分かち合えるような、志を共にする仲間となれる可能性を秘めた若者であることが重視されます。単に学力だけでなく、協調性や向学心、共に成長しようとする意欲などから選考しています」