朝ドラ「あんぱん」脚本家が語る今田美桜への信頼 北村匠海のファーストシーンは「鳥肌が立ちました」【中園ミホ氏インタビューVol.2】

2025年4月26日(土)8時15分 モデルプレス

北村匠海、今田美桜「あんぱん」第1話(C)NHK

【モデルプレス=2025/04/26】今田美桜主演の連続テレビ小説「あんぱん」(NHK総合・毎週月〜土あさ8時〜ほか)の脚本を務める中園ミホ氏に、モデルプレスら報道陣がインタビュー。Vol.2では、今田への信頼や北村匠海の演技を観た感想を教えてくれた。
◆今田美桜主演朝ドラ「あんぱん」
放送100年、そして戦後80年を迎える朝ドラ第112作目となる本作は、「アンパンマン」を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦がモデル。2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでの人生を、激動の時代を生きた波乱万丈の物語として大胆に再構成。登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描く。主人公・のぶを今田、後にのぶの夫となる嵩を北村が演じる。
中園氏は、小学生の頃にやなせさんにファンレターを送ったことをきっかけに文通がスタート。やなせさんを知る中園氏だからこそ描ける「あんぱん」とは。
◆「あんぱん」今田美桜への信頼
— 今田さんや北村さんの印象はいかがですか?
中園:2人とも素晴らしいですね。私は脚本を描くときに、頭の中に小さなモニター画面があって、そこでキャラクターが動いたり、喋ったりしているのを描き取るみたいなやり方をしているのですが、映像が上がってくる度に、俳優たちの演技に触発されて、モニターの中の想像世界がどんどん豊かになっていって、みなさん本当にすごいです。江口のりこさん(朝田羽多子)も3姉妹(今田、河合優実、原菜乃華)も素晴らしいですし、中沢元紀さん(柳井千尋)も素敵です。この作品では青春期をたっぷり描くので、ずっと観ていたいです(笑)。今田さんは「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」シリーズでもご一緒しているのですが、とても性格が良くて、それが画面にも表れる方。のぶは気の強い役ですし、少しうっとうしい役になりそうなところもありますが、今田さんだから大丈夫、と信頼して描いています。期待以上です。
— 史料がほとんど残っていない暢さんはどのように作っていきましたか?
中園:暢さんの青春期は、想像力を膨らませるしかなかったですね。私の知る限り、当時の真面目な純粋な女の子はほぼみんな軍国少女になるので、おそらく暢さんもそうだっただろうという気持ちで描かせていただきました。このドラマの初回冒頭から出てきた「正義は逆転する」、逆転しない正義は「お腹をすかせて困っている人がいたら、一切れのパンを届けてあげること」、そこに行き着く夫婦の話なので、特にのぶは思いっきり価値観が逆転するというイメージで描いています。
◆「あんぱん」北村匠海の演技に「鳥肌が立ちました」
— やなせさんをモデルにした嵩を演じる北村さんの演技はご覧になっていかがでしたか?
中園:初回の冒頭で「これやなせさんそのままじゃない!?」と思いました。本当にあのような雰囲気の人だったんです。北村さんの気配がとてもやなせさんだと思って、鳥肌が立ちました。きっと会ったこともないだろうし、なぜあんなに乗り移ったみたいにできるんだろうと。ひょっとしたら現場にやなせさんが降りてきているのかなと思ったりもしました。
— やなせさんに似ていたから北村さんをキャスティングしたわけではないのでしょうか?
中園:そうではないと思いますれ。俳優さんとして魅力的だと思っていたのでお願いしたのですが、ファーストシーンを観たときはとてもびっくりしました。
◆「あんぱん」やなせたかしさんの人柄
— やなせさんとは文通していたとのことですが、当時のやなせさんについて教えてください。
中園:お会いした頃は、まだ代表作がないことを気にしていらして、お手紙を読んでも愚痴っぽいことも書いてあるんです。小学生の私に「またお金にならない仕事を引き受けてしまいました」「なんでこんなにお金にならないのに忙しくしているんだろう」と書いてあって、失礼な話ですが、へなちょこなイメージでした(笑)。小学生にそう思われてしまうくらい、とても正直でまっすぐな方。その後、何回か呼んでくださった音楽会でお目にかかると、「お腹空いていませんか?」「元気ですか?」とすごく優しく声を掛けてくださったことはとっても印象に残っています。小学生のとき私は生意気な女の子だったので、失礼ですが、いろいろと報われていないけど優しいおじさんという印象がすごく強いです。朝ドラには妻が夫を支えるという話もありますが、やなせさんには「ハチキンおのぶ」「いだてんおのぶ」とあだ名があったパワフルな奥さんがいらしたから、暢さんがやなせさんの背中を押したというよりは、引っ張り上げたっていうように感じています。暢さんがいなかったら、今私たちが知っているやなせさんはいなかったかもしれないなと今回取材して思いました。
(modelpress編集部)
【Not Sponsored 記事】

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