川崎女性死体遺棄 ストーカー「認識せず」の県警に元刑事が苦言「ずさん、怠慢、捜査が後手後手に」
2025年5月5日(月)15時52分 スポーツニッポン
元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が4日、TBS系「ゴゴスマ〜GOGO!smile〜」(月〜金曜後1・55)にリモートで生出演し、川崎市の住宅で岡崎彩咲陽さん(20)の遺体が見つかった事件について、警察の捜査方法に苦言を呈した。
岡崎さんの遺体は同市川崎区の元交際相手、白井秀征容疑者(27)の自宅床下から見つかり、県警は死体遺棄容疑で同容疑者を逮捕した。岡崎さんは昨年6月から、白井容疑者とケンカになったり、付きまとわれるなどの被害を川崎臨港署に訴え、9月には被害届も提出したが、その後取り下げていた。岡崎さんの弟は、岡崎さんが白井容疑者から脅されて被害届を取り下げたと訴えている。
岡崎さんは、身を隠していた祖母の家周辺を白井容疑者がうろついていることなどを警察に伝え、対応を求めていた。昨年12月20日に岡崎さんが行方不明になった後、警察は白井容疑者を7回、任意聴取していたが、「ストーカー被害の相談を受けていた認識はない」と見解を示している。白井容疑者の自宅も3回、任意で捜査したが、床下の捜索には至らなかった。
県警の対応について、小川氏は「一言で言うと、警察のずさんな捜査というか警察の怠慢、捜査が後手後手に回っている」と厳しく非難した。
問題視したのは、被害届が出された9月20日から、取り下げられた10月29日までの対応だった。「昨年9月20日、暴力行為で被害届を受理して、10月29日まで40日間、容疑者が誰だと分かっているにも関わらず、どういう捜査をしていたか分からないんですけど、放置していた。この間に白井容疑者を逮捕するなり、取り調べするなりしていたら、様子は変わっていたんじゃないか」と述べた。
また小川氏は「ストーカーの被害の認識はなかったと警察は説明しているんですが、これはまったくの詭弁」とも指摘。「昨年の9月、10月ごろは交際していたわけですから、交際者とのDVと認識していてもいいんですが、12月に入ってからは別れた白井が、自宅周辺をうろうろしているとか、しかも午前4時にうろうろしているとか、ある程度、緊迫した状況が伝えられているわけですから、誰が見てもストーカー事案だということが分かる」と続けた。
岡崎さんが行方不明になった後の捜査にも疑問を呈した。「12月20日以降、いなくなったわけですから、警察官でなくても、誰を疑うか分かりますよね?」と、容疑者の目星をすぐに付けるべきだったと指摘。ストーカー被害では元交際相手の加害者である例は最も多いといい、「珍しい例ではないです。それを考えれば、真っ先に疑うはず。それがその間、まったく事情を聴いていないというのは、本当に物が言えないという感じを私は受けています」と首をかしげた。