広瀬すずが「あの子、背が高くてスタイルもいいから、声かけた方がいいよ」と…高校時代の鈴鹿央士を芸能界にスカウトしたワケ

2025年5月10日(土)7時0分 文春オンライン

 高校2年生の時にスカウトされて芸能界に入った鈴鹿央士。大学進学と共に上京すると、MEN’S NON-NOの専属モデルやドラマに映画にと活躍が続いていく。順風満帆なスタートを切ったように見えるが……。(全2回の前編/ 続きを読む )



鈴鹿央士さん ©︎石川啓次/文藝春秋


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「あの子、背が高くてスタイルもいい」大人気女優にスカウトされた高校時代


——鈴鹿さんが通っていた地元・岡山の高校で広瀬すずさん主演の映画『先生!、、、好きになってもいいですか?』の撮影をされていて、エキストラとして参加した際にスカウトされたと伺いました。どんな気持ちで参加されていたのですか?


鈴鹿央士(以下、鈴鹿) 高校2年生の時、友達と「芸能人を見に行くぞ!」と気軽に参加したんです(笑)。応募用紙に名前を書けば学校の生徒なら誰でも参加できたので、周りの生徒もたくさん参加していて。ちょうど岡山県が映画のロケ地として盛り上げていこうとしていた時期で、他にも3本くらい映画を撮っていたはずです。僕はその撮影は見に行けなかったのですが、自分の高校での撮影なら行けるぞ、と思って行きました。


——どんなふうにスカウトされましたか?


鈴鹿 撮影終盤に教頭先生がやってきて、突然「体育館の裏にきてもらえますか?」と言われたんです。「なんかやらかしてしまったのかな?」と思いながら行ってみると、当時のすずちゃんのマネージャーさんがいらして名刺を頂いて、「芸能界、興味がありますか?」「写真撮っていいですか?」と言われました。よく、テレビで芸能人が原宿でスカウトされたってエピソードを見たことはありましたが、本当にスカウトってあるんだなと。


——しかも広瀬さんが鈴鹿さんを見つけて、マネージャーさんに「あの子、背が高くてスタイルもいいから、声かけた方がいいよ」って伝えたとか。


鈴鹿 すずちゃんと聞いてさらに驚きました(笑)。スカウトされた翌日に、ちょうど事務所の社長さんが岡山に来ることになっていたそうで、急遽、母と一緒に社長に会いました。


母と一緒に事務所に行くとすずちゃんがいて……


——芸能界入りについて、ご家族とはどんなお話をされましたか?


鈴鹿 僕も家族も、芸能界を詳しく知らず、あまりにも遠い世界だと思っていたので、そこに自分が入るのを想像したこともなかったんです。もし、お話を聞いてお仕事をするとなっても、親からは「大学には行きなさい」と。当時、高校2年生の11月で福岡か神戸の大学を考えていましたが、東京の大学に進学することを条件に親がOKを出してくれて。大学に通いながら芸能活動をしてみて、就活をするときに芸能界が楽しいと思えば続ければいいし、そうじゃないと思うなら芸能界を辞めて、就職すればいいと選択肢をくれました。


——広瀬さんとは東京の事務所で再会されたそうですね。


鈴鹿 翌年2月くらいです。母と一緒に事務所に行くとすずちゃんがいて、仕事の合間に顔を出してくれたんです。まだ事務所に入るか決めてなかったのですが声をかけてくださって。ちょうどバレンタインの日だったので、すずちゃんからチョコも頂きました。すずちゃんは僕より年齢がひとつ上でほぼ同世代なのですが、既に芸能界で活躍されていたし、すごく大人っぽく感じました。


——その後、高校を卒業して東京の大学に進学し、事務所にも所属。大学生活は課題や勉強も忙しかったそうですね。入学した年の秋には、MEN’S NON-NOの専属オーディションを受けることになりました。


鈴鹿 MEN’S NON-NOは今まで阿部寛さんをはじめ、そうそうたる方々が活躍されてきて、当時は坂口健太郎さんが現役で出られているなかで、「大丈夫かな……?」と思いながらも、まずはチャレンジしてみました。最初は「受かったらいいな」くらいの気持ちだったのですが、2次審査が受かった頃から「最後まで残りたい」と真剣に思い始めて。2次審査では白いタンクトップに青い短パンだったんです。普段しない格好でしたが、MEN’S NON-NO側が用意してくださって、慣れないながらもみんな同じ格好しているし頑張ろうって参加しました。


『Oasis』の貪欲なところはすごく見習いたい


——MEN’S NON-NOの専属モデルオーディションではグランプリ受賞。その後はモデルや俳優として、映画やドラマ、CMなど、仕事の幅が広がっていきます。ここまですごく順調に活躍されていらっしゃいますが、いかがでしょうか。


鈴鹿 見てくださる方に順調だなって思っていただけるのはすごくいいことだなと思っていて。自分では毎回もっとこうしたら良かったのかなとか、撮影中も悔しい思いをしたり、放送を見て後悔したりしています。


 きっと悔しい思いをするってことは、おそらく成長できているんだろうと自分では捉えていて。周りからトントントン!って進んでいるように見えたとしても、自分では一つひとつ、目の前の作品を大切にして今に繋がっていると思います。


 でも、自分の中では「もっと! もっと!」という精神があるんです。もっといろんな作品に出たいですし、もっとたくさんの方に見ていただきたいです。少し話がずれるかもしれませんが、僕、『Oasis』が好きで、『Oasis』がインタビューで「カネがあって、高級車に乗ってて、大きな家に住んで満足してるかって? もっと欲しいぜ!」みたいな話のインタビューを見て、僕も家とかお金じゃなくて、貪欲なところはすごく見習うべきだと思っています。


 どのようなお仕事をしても「もっと! もっと!」と思えるのはすごくいいことだと思いますし、僕はお芝居の撮影中も、放送したものも含めて、自分自身に満足したことが一回もないです。満足したらそこで終わりといいますか辞めどきなのではないかという気がします。


——お仕事を振り返って反省されているということですか?


鈴鹿 ほぼ毎日しています。その日の撮影が終わって帰り途中や、家に帰ってお風呂に入っているときだったり、ベッドに入って電気を消して真っ暗な状態でふと思い出したり。お芝居だけではなくて、現場であの流れになったけれど、適切だったのかなと考えます。


僕の仕事が終わって夜9時くらいに「今、仕事終わったよ」とLINEすると……


——岡山のご家族とも、お話はされますか?


鈴鹿 よく、ドラマが放送されると「見たよ」と言ってくれますし、地元の母の友達や、周りの地域の方々が「こんな感想言ってたよ」と報告してくれます。家族のグループLINEがあるのですが、父、母、兄の4人で喋っていて、僕の仕事が終わって夜9時くらいに「今、仕事終わったよ」と連絡を入れると、「お疲れ様」と返信が返ってきます。その一文を見ると癒されますし、家族はいつも気にかけてくれています。


——いいご家族ですね。


鈴鹿 僕だけ東京に出てきて3人は岡山に住んでいますが、住んでいる場所は離れていてもいつも気に掛けてくれますし、優しい家族ですね。今年の正月には家族で台湾に旅行に行きましたが、楽しかったです! 年に1回は家族で集まりますし、仕事で岡山方面に行くときはなるべく実家に立ち寄りたいなと思っています。家族が集まるとワイワイ話しながらトランプやババ抜きしたり、神経衰弱したり。


 僕にとっても仕事とは別に、大切な時間になっています。


撮影 石川啓次/文藝春秋
スタイリング 松川 総
ヘアメイク TAICHI NAGASE(VANITÉS)

〈 名監督でも名女優でもなく、お世話になった関係者でもなく……鈴鹿央士がもう一度会いたい“あの人” 〉へ続く


(松永 怜/週刊文春CINEMA オンライン オリジナル)

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