挑戦者・斎藤慎太郎八段が勝利しフルセットへ!伊藤匠叡王との熾烈シリーズは2勝2敗に/将棋・叡王戦第4局
2025年5月26日(月)19時55分 ABEMA TIMES

将棋の第10期叡王戦五番勝負第4局が5月26日、千葉県浦安市の「ハイアットリージェンシー東京ベイ」で指され、挑戦者の斎藤慎太郎八段(32)が伊藤匠叡王(22)に125手で勝利。この結果、シリーズ成績は両者2勝2敗となり、五番勝負はフルセットが確定した。注目の最終局は6月14日に千葉県柏市の「柏の葉カンファレンスセンター」で指される。
挑戦者の斎藤八段が熱戦を制し、五番勝負のフルセットを決めた。シリーズで初めて角換わりが志向された本局は、ともに端の位を取り先手は矢倉、後手は浮飛車に構えて今後の激戦へと備えることに。互いの間合いを図るように、スローペースでどこまでも長い中盤戦が繰り広げられることとなった。
本格的に局面が動き出したのは、両者1分将棋に突入後。星取りで後がない斎藤八段は、積極的な手を繰り出して伊藤叡王へと迫っていった。一進一退の激しい攻防が繰り広げられると、わずかな隙を縫って斎藤八段が主導権を握ることに成功。互いに秒読みが続く緊張状態だったが、攻め合いからじりじりとリードを拡大。激戦の終盤戦を押し切って待望の勝利を飾った。

勝利した斎藤八段は、「序盤は少し先手番として妥協した形で自信なかったが、息長く辛抱したことが実ったのかなと思う」とコメント。開幕局以来の白星でタイトルに臨みをつなげたが、「ここまでと変わらず平常心で臨めるようにと思います」と冷静に最終局を見据えていた。
一方、タイスコアを許すこととなった伊藤叡王は、「一分将棋に入ってから好転した場面もあったかもしれないが、自陣に金銀を打ち付ける展開から駒を触った割に機能していなかったので、苦しくしてしまったのかなと思う。自信のない時間帯が長く、構想力を磨いていかないといけないと感じた」と肩を落としていた。
この結果、斎藤八段が追いつきシリーズ成績は2勝2敗のタイに。シリーズの決着はフルセットにもつれ込むこととなった。伊藤叡王の防衛か、斎藤八段の叡王位奪取か。注目の最終局は、6月14日に千葉県柏市の「柏の葉カンファレンスセンター」で予定されている。
(ABEMA/将棋チャンネルより)