9歳の囲碁天才少年が転落死、父親のDVを苦に自殺?祖父「父親が子をたたくのは普通のこと」―中国
2025年5月28日(水)15時0分 Record China
中国・浙江省杭州市で「囲碁の天才少年」と言われた9歳男児が転落死した事件について、祖父母や父親が口を開いた。
中国・浙江省杭州市で「囲碁の天才少年」と言われた9歳男児が転落死した事件について、祖父母や父親が口を開いた。中国メディアの九派新聞が27日に報じた。
報道によると、囲碁アマチュア6段で、7歳の時に全国大会の幼児クラスで優勝したという男児は、今月19日に集合住宅の10階から転落して死亡した。事件をめぐっては「(男児は)両親が離婚して父親と同居している」「父親は男児が対局に敗れると人前で激しく叱責した」「男児の体には傷やあざがあり、父親から家庭内暴力(DV)を受けていた」「男児の死は自殺だった」といった情報がSNS上で拡散していた。
その後、同様の告発が相次ぎ、父親の朱松林(ジュー・ソンリン)さんが非難の的になった。杭州市公安局は通報を受けたことを認めており、現在、関係部門が調査・対応を進めているというが、男児が死亡した詳しいいきさつは分かっていない。
中国メディアの取材を受けた男児の祖母は「ネット上では、あの子が亡くなったのは午後8時過ぎだと言われていますが、実際は午後5時半です。学校が終わって下校したのは午後5時ごろで、警察が監視カメラで確認したところ、あの子は一人で帰宅し、途中忘れ物をしたことに気付いて取りに戻り、それから午後5時10分ごろに向かいの団地で友達と遊んで、その10分後くらいに上階に登って、午後5時半に転落したんです」と語った。
また、「父親(朱松林さん)がお子さんをたたいたりしたことはありますか?」と聞かれると、「もし松林があの子をかわいがっていなかったら、小さい頃から育てたりなんてしません」と涙に声を詰まらせながら語った。また、男児の祖父は「父親が子どもをたたくのは普通のことだ」とし、数秒間沈黙した後、改めて「大人が子どもをしつけるのは当たり前のことだ」と話した。すると、別室にいた朱松林さんは「もうやめてくれ。警察がきっと俺の潔白を証明してくれる!」と声を上げたという。
報道によると、朱松林さんはもともと福建省泉州市の村に住んでいた。過去に2度結婚と離婚を繰り返しており、2人の妻にそれぞれDVを行っていたほか、子どもにも非常に厳しく接していた。村民が暴力を止めるよう注意したところ、逆に暴言を吐かれたり、暴力を受けたりすることもあったそうだ。朱松林さんは2人目の妻と離婚後、泉州市で定職に就いていなかったが、子どもに囲碁の才能があることに気付くと厳しい指導を行うようになり、その様子をたびたびSNSに投稿していたという。
ある関係者は「過去に投稿された動画で、子ども(男児)は問題を解きながら鉛筆をガリガリとかじっていた。当時は4〜5歳だと思うが、明らかにストレスを抱えていた。地元の囲碁教室の保護者も、父親が子どもを殴るのを目撃していて、止めても逆に罵倒されるだけだった。子どもが『お母さんに会いたい』と言うと、彼は暴力で脅し、それから2〜3年、母親と会えていなかったようだ」と証言している。
中国のネットユーザーからは「(父親は)子どもが死んでいるのにまだ自分の保身。冷血としか言いようがない」「離婚して妻に暴力を振るえなくなったからターゲットを子どもに。よくある話だ」「この祖父が元凶」「どうやらこの祖父も父親にだいぶ暴力を振るってきたようだ。(DVは)DNAに刻まれている」「一家全員が悪人だな。子どもの体にできたあざや傷を見れば明らか。普通の体罰ではなく虐待だ!」といったコメントが寄せられている。(翻訳・編集/北田)