廉価モデル「Pixel 9a」と「iPhone 16e」はどう違う? スペックを比較した

2025年5月8日(木)13時17分 ITmedia Mobile

Pixel 9シリーズの廉価モデル、Pixel 9a

 Googleの新スマートフォン「Pixel 9a」が4月16日に発売されました。価格はGoogle Storeで7万9900円(税込み、以下同)から。廉価版とはいえ、プロセッサにはPixel 9やPixel 9 Proと同じTensor G4を搭載しており、性能的には十分。
 廉価版というポジション的には、一足早く発売された「iPhone 16e」に近いものがあり、こちらはApple Storeで9万9800円から。iPhone 16eの方が高価ですが、どちらを購入するか悩んでいる人もいるでしょう。
 そこで今回は、Pixel 9aとiPhone 16eのスペックを簡単に比較してみました。
●プロセッサ:どちらもカスタムチップを搭載
 Pixel 9aはGoogle独自の「Tensor G4」チップを搭載。これはPixel 9シリーズ共通であり、特にAI処理に特化した「TPU(Tensor Processing Unit)」を内蔵している点が大きな特徴です。iPhone 16eは、Apple独自の「A18」チップ(CPU 6コア、GPU 4コア構成と想定)を搭載。こちらも高性能な「Neural Engine」を内蔵し、Apple IntelligenceなどのAI機能の処理能力を高めています。
 どちらも自社設計のカスタムチップであり、単純なスペックシート上の数値だけで優劣をつけるのは難しいです。ただ、最新のAI技術をスマートフォン体験の中核に据えようとしている点は共通しており、写真編集、音声アシスタント、文字起こし、翻訳など、さまざまな場面でその恩恵を受けられます。
●ディスプレイ:Pixel 9aは可変リフレッシュレートに対応
 Pixel 9aのディスプレイは6.3型のActuaディスプレイを搭載。60〜120Hzの可変リフレッシュレートに対応しており、ゲームなど画面の動きが激しいシーンでも、滑らかな表示を実現します。また、最大輝度も高く、屋外での視認性も高そうです。
 一方のiPhone 16eは、6.1型のSuper Retina XDRディスプレイを採用。Pixel 9aよりわずかに画面は小さいものの、解像度やコントラスト比ではiPhone 16eがややリードしています。ただ、リフレッシュレートは60Hz固定です。日常的な使用では十分ですが、スクロールの滑らかさなどでは物足りなさを感じるかもしれません。
●本体サイズ:ほぼフラットなボディーが特徴
 ディスプレイが大きい分、Pixel 9aはiPhone 16eと比べて本体サイズがわずかに大きく、そして重くなっています。Pixel 9aはカメラ部の出っ張りがほとんどなくフラットな背面が特徴的。一方、iPhone 16eもシングルカメラで出っ張りが抑えられているため、この部分での優劣はほとんどないといっていいでしょう。
●カメラ:Pixel 9aは超広角カメラを搭載
 そのカメラに関しては、Pixel 9aは4800万画素の広角と1300万画素の超広角という2眼構成。iPhone 16eは4800万画素(広角)の1眼です。数だけで比べるならPixel 9aが優位ですが、超広角レンズの使用頻度はユーザーによって大きく異なります。日常的なスナップ撮影が中心であれば、メインとなる広角カメラの画質の方が重要です。
 写真の画質は画素数だけでは決まらず、センサーサイズやレンズ性能、そして何より画像処理ソフトウェアの味付けに大きく影響を受けます。PixelはAIを活用した「コンピュテーショナルフォトグラフィ」に長けており、特に「消しゴムマジック」などの編集機能は強力です。iPhoneも自然な色合いとディテール表現に定評があり、どちらも高品質な写真撮影が期待できます。最終的な画質や色味の好みは、作例などを比較して判断するのが良いでしょう。
●AI機能:どちらも独自のAI機能を搭載
 Pixel 9aとiPhone 16eは、どちらも廉価版とはいえAI機能に対応しています。特に、AIアシスタントの存在は注目でしょう。
 Pixel 9aでは、Googleアシスタントの後継として、より高度な対話や文脈理解が可能な「Gemini」を利用できます。「Ok Google」での起動や音声操作はもちろんのこと、Google Home経由でスマートホームの操作やGmailの内容を要約させたり、Googleドキュメントの下書きを作成させたりといった、Google Workspaceとの連携機能が強力です。
 一方のApple Intelligenceは、Siriのパワーアップ版。実際には、Siriに生成AI機能を統合したといったものです。今後のアップデートでさまざまな機能追加が検討されてはいますが、現状では通知の優先順位付けや要約、メールやメモアプリでの文章の作成支援、音声の文字起こしといったことが可能です。
 Appleはプライバシー保護を重視しており、多くの処理をデバイス上で完結させようとしています。ただ、処理能力を超える複雑なリクエストについては、OpenAIのChatGPTを利用する仕組みも取り入れています。

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