NEC、KDDIとセキュリティ事業で協業 - 日本を守る新施設を開設へ

2025年5月8日(木)18時4分 マイナビニュース


NECは5月8日、サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の導入に向けた法案が閣議決定されたことを踏まえ、同法案への対応も見据えて、「.JP(日本のサイバー空間)を守る」をスローガンにサイバーセキュリティ事業の強化を実施するとともに、それに伴い施設を新設することについての説明会を実施した。
説明会には、取締役 代表執行役社長 兼 CEOの森田隆之氏、執行役 Corporate EVP 兼 CSO 兼 NECセキュリティ 代表取締役社長の中谷昇氏が登壇。新設される「Cyber Intelligence & Operation Center」の紹介を行った。
NEC×KDDI、協業へ
最初に登壇した森田氏は、「経済安全保障推進法成立」「セキュリティ・クリアランス制度の整備」「国によるサイバーセキュリティ体制の強化」といったデジタルインフラの安全性確保に向けた動きが国内で加速していると説明した。
そうした中、NECは「海底ケーブル・衛星」「ミッションクリティカルシステム」「国産AI」「サイバーセキュリティ」といった事業を通じてデジタルインフラを支えてきたという。それらの実績を基に、KDDIとサイバーセキュリティ事業における協業の検討を開始する基本合意書を締結したことを発表した。
両社は今回の締結により、近年巧妙化するサイバー脅威から日本企業・政府機関を守るため、より強固な防御力を提供できる純国産のセキュリティ基盤を共同で構築し、国内最大規模のサイバーセキュリティ事業を展開することを目指す。
具体的には、企業や政府機関をより強固なセキュリティ基盤で守る取り組みとして「AI×インテリジェンス駆動型サイバーセキュリティ」の強化を行うほか、日本企業が持つ海外拠点への対応も視野に入れ「グローバルでのセキュリティ監視運用体制構築などの事業オペレーションの高度化」を検討するという。
「Cyber Intelligence & Operation Center」新設
続いて登壇した中谷氏は、10月にグランドオープンする「Cyber Intelligence & Operation Center」の説明を行った。
「Cyber Intelligence & Operation Center」では、従来のSOC機能に加え、インテリジェンス・ドリブンなサイバー攻撃の予兆把握から地政学リスクを考慮したインシデント対応支援・報告までの機能を集約し、日本のデジタルインフラを守るための包括的サービスを提供する。
同センターは「NIST SP800-53」という高度なセキュリティ基準をベンチマークとすることで、適切なオペレーションを可能としている。そして、複雑化・高度化するサイバー攻撃の脅威と各国で異なる法規制に対応するため、地政学的なサイバー脅威の分析や、グローバルな攻撃トレンドに基づいた適切な監視や対処をサプライチェーン含めて実施する。
具体的には「独自のサイバー脅威インテリジェンスの提供」「国産AI技術を活用し、安全性と機能性を両立」「グローバルでの推進体制を確立」の3点を中心に取り組みを進めていく。
○独自のサイバー脅威インテリジェンスの提供
グローバルな情報源からサイバー脅威情報や攻撃パターンなどの膨大なデータを収集し、データレイクに一元的に蓄積・管理する。
収集したデータはAIを活用して分析・可視化し、地政学的観点や各国の法規制なども考慮した上で、サイバー攻撃の脅威やリスク、対応手段などをNEC独自のサイバー脅威インテリジェンスとして提供する。
これを活用することで、サプライチェーン全体をカバーした、より高度な戦略立案と脅威への迅速な対応が可能となるという。
○国産AI技術を活用し、安全性と機能性を両立
サイバー脅威情報の収集・分析・可視化・対処にNEC開発の生成AI「cotomi」などのAI技術を活用し、専門家の意思決定を支援する。
具体的には、分析から対処まで90%の作業を完全自動化し、リアルタイムで分析結果を顧客に報告する。残りの10%の手動分析では、関連情報をAIが自動的に収集してアナリストに提示するなど、より効率的かつ高精度な分析を支援する。
また、信頼性の高い国産AI技術を活用することで、安全性と機能性を両立したサービスを提供していく構え。
○グローバルでの推進体制を確立
10月に日本に「Cyber Intelligence & Operation Center」を開設後、2026年度以降、APAC、欧州、アメリカに順次開設し、各拠点間を有機的に連動してグローバルで切れ目のない推進体制を確立する。
各拠点では、各国の法規制に対応した迅速な対応を支援、インシデント対応から監督官庁への報告までを包括的に支援できる体制を確保することで、24時間365日、日本の政府・企業を守るコンセプトである「Make Japan Cyber Secure」の実現を目指す。

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