「ボールの力を考えるとクローズアップされる」球界OBが着目する阪神 新勝利の方程式 "藤川2世"の「秘密兵器」とは
2025年2月1日(土)16時52分 ココカラネクスト

佐藤蓮はプロ5年目、佐藤輝明らと同期入団となる(C)産経新聞社
いよいよキャンプイン。各球団、選手たちの躍動した姿が伝えられるなど、球春到来と開幕に向けての道のりも注目となりそうだ。
藤川球児監督率いる新生阪神にとっても、23年以来、2季ぶりの日本一奪回に向けて臨むシーズンとなる。
【新監督】5人の監督が交代
現役時代は火の玉ストレートで知られ、投手出身監督として守りの野球をより固めていくかも、注目されている。
そんな中で新監督の"色"をどのように打ち出していくかに球界内からも様々な考察の声があがっている。
現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は1月31日に自身のYouTubeチャンネルに「【新監督】5人の監督が交代!!藤川監督は〇〇に着手か?"監督が変われば出場する選手が変わる!"その可能性がある選手について語ります!【プロ野球】」と題した動画を更新。今季から新たに指揮を執る監督にスポットを当てている。
かつての例でもあるように、指揮官が代わったときは新たな視点で選手を見るため、今までとは違った選手たちが活躍することも多い。
その意味で高木氏が藤川阪神で注目しているのは遊撃争いだという。
日本一を達成した23年シーズンは「恐怖の8番打者」として活躍した木浪聖也に関して「ちょっと去年の成績から考えると(今年は)小幡でいってもいいんじゃないかというのは、感じ取れる」とした。
昨年、木浪は116試合に出場、打率・214、1本塁打、35打点。故障離脱する時期もあるなど、また打撃面のパフォーマンスに関しても苦しんだ。
一方の小幡竜平は昨年は50試合の出場、打率.241、1本塁打、9打点。木浪同様に小幡も7月中旬に左太もも裏の肉離れで離脱と遊撃争いを行った2人とも、レギュラー奪取とまではいかなかった。
「若手に切り替えるという意味では小幡にクローズアップしてくるのではないか」と高木氏。当然、木浪も黙っていないとして、遊撃争いは競争としながら、注目とした。
また投手の期待株には今季がプロ5年目となる右腕、佐藤蓮の名前をあげた。
「ボールの力ということを考えると、藤川監督が(現役時代は)ボールの力、ボールの質で抑えていった そういうのを重ねあわせて、佐藤蓮に託すか、そんな感じも見受けられる」と力投型である佐藤が勝利の方程式の一角として、躍進する可能性もあるとした。
佐藤蓮は2020年ドラフト3位入団、同期には佐藤輝明、中野拓夢、伊藤将司と1軍ですでに活躍している面々が多くいる黄金世代として知られる。
本格覚醒が期待されながら、ここまでは育成契約も経ながら、昨年7月に支配下復帰。ファームで力をつけ、9月30日のDeNA戦で7回にプロ初登板、150キロ超えの直球、カーブ、フォークを駆使し、1イニングを三者凡退に抑えた。
救援投手陣では同じくパワー型の湯浅京己が近年はコンディション調整に苦しみ、浜地真澄が現役ドラフトでDeNAに移籍した背景もある。
高木氏も「ここらへんのスタイルができるのが佐藤かな」としながら、佐藤蓮に関して「ボールの力から考えるとクローズアップされてくるかな」と、今季のブレイクに期待を寄せた。
現役時代は「JFK」と呼ばれる、鉄壁の勝利の方程式の一員だった藤川監督が今季、救援投手陣をどう整えていくかも、V奪回に向けて大事なポイントとなる。
黄金世代からまた一人、1軍定着する選手が出てくるか。背番号「98」の挑戦に注目したい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]