報酬制限の導入に向け、新たなワーキンググループを設置へ。F1ドライバーも議論に参加
2021年2月15日(月)15時15分 AUTOSPORT web

将来F1への導入が検討されているドライバーの報酬制限について議論するため、新たなワーキンググループの設置が決まり、グループが始動する際にはF1ドライバーたちも参加する予定だ。
昨年、ドライバーの報酬の上限を3000万ドル(約31億4800万円)とする案が提出され、チーム代表たちの大きな支持を得た。コストを削減し、F1ドライバーの公平性を推進する有益なツールだと考えられたのだ。しかしながらそのような制限条項を導入するには、大きな法的障害をいくつか解決しなければならないだろう。なお、2021年より導入される1億4500万ドル(約152億円)の予算制限は、ドライバーの報酬およびチーム上層部のうち最も給与額の高い3人のメンバーの給与を含んでいない。
この件は木曜日にF1コミッションによるリモート会議で再度話し合われ、そのなかでドライバーを含む特別なワーキンググループの設置が決定された。グループは報酬制限のコンセプトについてさらなる評価を行うことになる。
「2021年にF1で初めてコスト制限が実施されるが、コストのコントロールに関連する様々な主題が取り上げられ、今後数年のうちにこの全体的な目標をいかに達成するかということがミーティングで話し合われた」とF1とFIAは声明のなかで述べた。
「その一環として、ワーキンググループが設立されることになった。ドライバー自身も参加するもので、ドライバーとチーム経営陣との契約を主題として話し合うものだ」
昨年の夏、メルセデスのチーム代表を務めるトト・ウォルフは、管理と制限が行われるチーム予算にドライバーの報酬をゆくゆくは含めていく考えを支援することを表明した。しかしながらウォルフは、報酬に上限を設けることで、F1のスーパースターたちがF1から離れてしまうのではないかという懸念も持っている。
メルセデスのルイス・ハミルトンはF1で最高額を稼いでおり、推定年収は4000万ドル(約41億9800万円)だが、予想通り彼は報酬額に制限をつける件については慎重だ。F1の大スターであるハミルトンは、報酬額の制限が、F1の若い世代のドライバーにとって将来的に不公平になることを懸念している。
「話し合いを進めていくにあたっては、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)とF1が緊密に連携することが重要だと思う」とハミルトンは昨年語っている。
「F1のドライバーは、当然ながらスポーツのスターだと考えている。彼らは観衆の目にさらされ、彼らのブランドをもたらす。彼らの評判がスポーツを高めることになり、そのために世界中を旅することができるようになる」
「一部のスポーツでは報酬制限がある。NFLやおそらくバスケットボールもそうだと思う」
「ひとつ違いがあるのは、そうしたスポーツでは選手は独自のイメージをさまざまな分野で確立しており、彼らのイメージを他の場所で最大限に活かすことができることだ。このスポーツではドライバーのイメージは大方コントロールされている」