大打者ボンズの大谷翔平への“ケチ”は「老人みたい」 米司会が猛反発「あんたこそ、自分が“楽になる環境”を作ったじゃないか」
2025年3月10日(月)17時0分 ココカラネクスト

大谷に対する持論を飛ばしたボンズ氏。だが、その意見に厳しい反発が止まらない。(C)Getty Images
かつて「球界で最も恐れられた」男の発言が、波紋を広げている。
物議を醸すキッカケとなったのは、メジャー通算762本塁打を放ったバリー・ボンズ氏が、大谷翔平に向けた持論だ。米ポッドキャスト番組『All the Smoke』に出演した往年のスーパースターは、「ピッチングも、バッティングも、ずば抜けている。さらに走塁も素晴らしい。まさに完璧」と称えた上で、こうケチをつけたのである。
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「私がプレーしていた頃と今の野球はまるで違う。私の時代ならオオタニが何も考えずに2本もホームランを打つなんてことはない。それはありえないんだよ。その前に1球は頭に向かって投げられてくるからね。それに盗塁を2つ決めるなんてこともない。誰かが、打席に立った段階で膝を狙って潰しにくるはずだ。昔の野球はそういうゲームだったんだ。誰であろうと関係なかった」
自分の時代とは環境が異なると切り出し、現世代のスターを「やわだ」とも飛ばしたボンズ氏。2004年にシーズン120敬遠という末恐ろしいスタッツを残したレジェンドだからこそ言える持論ではあるが、大谷の功績にどこか不満げな物言いは、小さくない反発を招いている。
米スポーツ専門局『FOX Sports』のポッドキャスト番組「The Jason Smith Show」の司会であるジェイソン・スミス氏は「彼(ボンズ氏)の言うこともある程度は正しい。確かに彼は結構ぶつけられているからね」と前置きした上で、「でも、ボンズだってマイク・シュミットがいた70年代に比べたら楽だと思うんだ」と指摘。さらにスポーツ進化を理解してないレジェンドを酷評した。
「スポーツ界に長くいるくせに、どう変化していくのかを理解できないやつっているよな。ボンズはまさにそれだ。時代が進むにつれて環境が良くなって、選手たちが楽になるのは当然だろ。それなのに『オオタニは恵まれている』って批判するのはどうなんだ。いやいや、あんたこそ、MLBで禁止されてる方法で、自分が“楽になる環境”を作ったじゃないか。それなのに『俺の時代になかったアドバンテージがオオタニにはある』って言うのはナンセンスではないのか」
世間から「ステロイド時代」とも揶揄された90年代から2000年代初頭の米球界は禁止薬物の使用が横行。かくいうボンズ氏も、2006年に興奮剤の一つであるアンフェタミンに陽性反応が発覚し、晩節を汚した過去がある。その事実を皮肉ったというわけである。
また、米ポッドキャスト番組『Outkick The Show』の司会を務めるクレイ・トラビス氏も、自身の番組内で「俺の時代っていうのはどうなんだろうか。今も昔も大きな違いはないように思う」と指摘。やはりボンズ氏の意見が“筋違い”と反論した。
「ちょっと大げさなんだよ。なんというか、『昔は学校に行くのに道が全部坂道で大変だったんだよな』って話してる老人みたいだ。ボンズだって内角攻めはされたけど、頭をいつも狙われていたわけじゃない。だからちょっと盛りすぎてるように思う」
さまざまな議論を巻き起こしている大スターの発言。大谷のスター性を物語る論争の反響は、しばらく落ち着きそうにない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]