タンディ、前人未到の『耐久ビッグ6』完全制覇を目指しセブリングへ「モチベーションは変わらない」
2025年3月12日(水)12時35分 AUTOSPORT web

ニック・タンディは、3月15日に行われるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第2戦セブリング12時間レースで総合優勝を勝ち取ることに「強い意欲」があると語った。IMSA GTPランキングで彼とコ・ドライバーのフェリペ・ナッセのリードを広げるだけでなく、彼自身の記録として、前例のない耐久レースの“ビッグ6”を完全制覇するためだ。
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツに所属するタンディは、1月の開幕戦デイトナ24時間レースで優勝したことにより、デイトナ、ル・マン、ニュルブルクリンク、スパの24時間レースすべてで優勝した初のドライバーとなった。
■過去最高の感触だった2月のテスト
ポルシェ911 RSRで、2015年のプチ・ル・マンで総合優勝を果たしたことはすでに記録に残っており、総合優勝という観点からタンディに残された未制覇の主要耐久レースは、セブリングだけだ。ただし、このレースではこれまでに3回のGTLMクラス優勝を経験している。
「もちろんモチベーションは高いが、他の年と変わらない」と、タンディはセブリング戦を前に記者団に語った。
「GTで3回優勝する幸運に恵まれたし、セブリングは僕にとって良いイベントだ。過去2年間、2回とも優勝に近づき、最終的には優勝できる位置にいた」
「ビッグレースで優勝するのは素晴らしいことだ。しかし、結局のところ、他のレースと同じポイントしか得られない」
「常に最大限のモチベーションで各イベントに臨む。記録が積み重なると、個々のレースが少し話題になるが、それは素晴らしいことだ。誤解しないでほしい。他の多くのドライバーやチームと同じように、総合優勝を目指すことは、ここ数年ずっと考えてきたことだ」
「第1ラウンドを終えてチャンピオンシップをリードしている。ひとつのイベントと同じくらい、チャンピオンシップへの集中についても、考えなければならない」
「勝てればいいね。プチ(・ル・マン)でも総合優勝しているので、“ビッグ6”達成になるからね!」
このイギリス人ドライバーは、自分が参加するどのレースにも同等のモチベーションを注ぐと繰り返した。
「もしイギリスGTでレースをして、優勝まで10周のシュートアウトがあったら、ル・マンやセブリングで優勝するときと同じモチベーションで、コース上で全員に勝とうとすると思う」とタンディ。
「モチベーションは変わらない。後に話題になるだけだよ」

タンディとポルシェ・ペンスキー・チームは、2月にセブリングで充実した2日間のテストを終えており、そこでは姉妹車の6号車ポルシェ963が最速となった。
「数週間前のテストは間違いなく、僕がプログラムに参加して以来、このチームとこのクルマで行った最高のセブリングテストだった」とタンディは語った。
「もちろん、コースに出るたびに学ぶことを期待し、より良くなることを期待している」
「僕らはその恩恵を受け、デイトナの前や昨年の終わりにもそこでテストをした。確かにチャンピオンシップは獲得したけど、決して栄光に甘んじてはいけない。そして、大変な努力を重ねてきた」
「これまで、セブリングはポルシェ963にとって最高のコースではなかった。それは僕らも認識している」
「進歩が見られるのは前向きなことだ。レース当日、ライバルたちとどこまで戦えるかはまだ分からない。しかし、これまでのところ、セブリングに向けての準備がうまくいっていることに満足している」