WTCR:BRCヒュンダイを公式披露。4台体制でルクオイルが新パートナーに就任

2019年3月23日(土)6時54分 AUTOSPORT web

 WTCR世界ツーリングカー・カップに参戦するBRCレーシングは、2019年シーズンのチーム体制発表会を開催し、改めて4台のヒュンダイi30 N TCRを投入するとアナウンス。ディフェンディングチャンピオンのガブリエル・タルキーニと残留したノルベルト・ミケリスに加え、新加入のアウグスト・ファーフス、ニッキー・キャッツバーグのマシンには、新たにロシアの石油企業ルクオイルをパートナーに迎えると発表した。


 2019年からヒュンダイ・カスタマーレーシングのサポートで4台体制へと戦線を拡大するBRCレーシングだが、王者タルキーニとミケリスの2台は今季から“BRCヒュンダイ N スクアドラコルセ”のチーム名でエントリー。ニューフェイスとなるファーフスとキャッツバーグの2台は“BRCヒュンダイ N ルクオイル・レーシング・チーム”のエントリー名で参戦する。


 ツーリングカー界ではおなじみとなるロシアのエネルギー大手は、かつてWTCC世界ツーリングカー選手権時代にタルキーニがプライベーター・セアトをドライブした際にも支援を行った経緯があり、昨季2018年はチームWRTとジョイントし、アウディスポーツ・レパード・ルクオイルとしてシリーズに関わってきた。


 ラウンチイベントで公開された2019年仕様のヒュンダイi30 N TCRは、スクアドラコルセを名乗る2台がよりワークス然としたカラースキームを採用。WTCRの“ルーキー”がドライブする2台には、ルクオイルのコーポレートカラーであるレッドの面積が大きく彩られたカラーリングとなった。


 チームはこの新体制を反映したマシンで、次週スペイン・バルセロナで開催予定のWTCR公式プレシーズンテストに参加。4月初旬のモロッコから幕を明ける2年目のシーズンで、タルキーニの防衛とYMR(イバン・ミューラー・レーシング)に奪われたチームタイトル奪還に挑むことになる。


 ヒュンダイ・カスタマーレーシング代表であり、タルキーニとはJASモータースポーツのテクニカルディレクター時代からともに仕事をしてきたアンドレア・アダモは「2019年のWTCRはさらに競争の激しいシーズンになるだろう」と展望を語った。


「このオフの期間、我々はカスタマーレーシングとしてチームやドライバーの準備を手助けしてきた。i30 N TCRは2018年も信じられないほどの成功を収め、TCRシリーズの新たなベンチマークとなった。この4人は全員がタイトルコンテンダーになれるし、我々はあらゆる側面からそれをサポートする準備ができているよ」


 2018年に初代WTCRチャンピオンの称号を勝ち獲ったタルキーニは、その防衛に臨む2019年に向け「たとえ新型車種や実力派ドライバーの参戦があろうと、昨季同様の競争力を発揮できるはずだ」と期待を込めた。

イタリアのファクトリーで体制発表会を開催したBRCレーシング。王者タルキーニとミケリスがアンベイルを担当
タイトル防衛を目指すタルキーニとミケリス擁するメインチームは”BRCヒュンダイ N スクアドラコルセ”のエントリー名に


「正直なところ、私の挑戦者が同じヒュンダイi30 N TCRをドライブする近しい存在であることを願っているよ」とタルキーニ。


「昨年は最終戦の最終ラップまでタイトル争いが続いたように、このシリーズの競争レベルがとても高いことは誰もが知るところだ。引き続き2019年も新たなルール、新たなマシン、新たなドライバー、そして新たなサーキットと最後の最後まで戦うことになるだろうね」


 一方、昨季はランキング4位に終わったチームメイトのミケリスも「残る目標はひとつ、タイトルを獲ることだけだ」と意気込みを語った。


「昨年ガブリエル(タルキーニ)が達成したことを考えれば、僕はタイトル獲得に向けて正しいマシン、正しいチームで戦っている。もちろん、WTCRの長いシーズンではあらゆることが起こるし、一貫性がとても重要になる。最速であることは当然、シーズンの最後にはより賢いものが笑うことになるかもね」


 そしてWTCC時代にはBMWワークスの一員として戦ったファーフスは、DTMドイツ・ツーリングカー選手権を経て、再び世界選手権に復帰。アルファロメオ以来のFFツーリングカードライブとなるが「自信を持っている」と余裕を見せた。


「昨年、観戦する側としてWTCRを観られたことは最高に楽しいひとときだった。ここ数年でも最高レベルの世界的ツーリングカー・シリーズだと言えるね」と、DTMからのスイッチを決めたファーフス。


「リザルトから見ても、ヒュンダイがTCR規定ツーリングカーで最高の1台であることは間違いない。ドライバーとしてはつねに最高の道具で戦いたいというのが本音だし、2019年にドライブしないかと誘われた時には、答えを出すのが簡単だった。新たな挑戦や課題が待ち受けているだろうが、良い結果を持ち帰れると信じているよ」


 そしてこちらもTC1時代のWTCC経験者であるキャッツバーグも、「WTCRで優勝すること」を目標にシリーズにカムバックする。


「僕は自分のドライビングスタイルがWTCRにマッチしていると考えているんだ。とくにニュルでの1戦を考えるとワクワクするね。なにより、アウグストやBRCヒュンダイ N ルクオイル・レーシング・チームと協力してポイントを重ね、レースで勝利を挙げる日を楽しみにしている」

ルクオイルの支援を受けるファーフス、キャッツバーグの2台は”BRCヒュンダイ N ルクオイル・レーシング・チーム”の登録名となる
同じくヒュンダイ陣営のYMRに初代チーム王者をさらわれたBRCレーシングは、2019年ダブルタイトル獲得を狙う


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