激震のスキャンダルに沈黙の大谷翔平 米司会は「答えのない疑問がたくさんある」と対応を疑問視「ノイズを遮断できるか」

信頼を置いていた水原氏とのスキャンダルに揺れる大谷。(C)Getty Images

　自身が信頼を置いていた人物の一大スキャンダルによって、“渦中の人”となった大谷翔平（ドジャース）。いまだ問題が不透明となっているなかで、ハイパフォーマンスを維持できるのか、そして彼自身に何らかの処罰が下る可能性はあるのかが、大きな注目を集めている。

【動画】MLB公式もクローズアップ！ 大谷の妻・真美子さんのガッツポーズシーン

　衝撃的なニュースだった。同問題は大谷の専属通訳を務めていた水原一平氏が、米大谷の銀行口座から米連邦捜査局が捜査対象としていた違法ブックメーカーへ少なくとも450万ドル（約6億8000万円）の電子送金をしていたと判明し、世間を騒然とさせたものだ。

　違法賭博に関与した疑いで、大谷の弁護士から告発される事態となった水原氏は、米スポーツ専門局『ESPN』の取材で「翔平には言えなかった。自分の生計を立てるのが大変で、ギリギリの生活だった」と赤裸々に吐露。「身の危険を感じていた。家に取り立て屋が押し寄せてくるかもしれないという恐怖があった」と強調。大谷の銀行口座を利用した理由として、ギャンブル依存症に陥っていたなかで、負債額が増えていく状況に対する不安感があったともした。

　現時点で大谷本人は沈黙を貫いている。弁護士が所属するバーク・ブレトラー法律事務所の広報担当者は「我々はショウヘイ・オオタニが大規模な窃盗の被害者であることが分かり、この問題を当局に引き渡している」とし、違法ブックメーカーとの“黒い関係”を否定。この点については水原氏が送金をしていた胴元であるマシュー・ボウヤー氏の代理人であるダイアン・バス氏も「彼が会ったりしていたのはイッペイだけだ」と主張している。

　とはいえ、大谷の銀行口座から巨額の送金がされている事実はある。それだけに捜査の展開次第では何らかの処罰が下される可能性も現時点でゼロとは言い切れない。

　大谷が今後にどうなっていくかは現地アメリカでも関心を集めている。

　米ポッドキャスト番組『The Rich Eisen Show』のホストを務めるスポーツジャーナリストのリッチ・アイゼン氏は、「オオタニがノイズを遮断できるか。これほどネガティブなノイズが起きるのは彼のキャリアで初の出来事なはずだ。我々は彼の対応力を確認できる」と指摘。「私が思うに彼の周りには常に違う方向に足を引っ張る人がいたということなんだ」としたうえで、沈黙を貫いているドジャース側の対応に疑問を投げかけた。

「ドジャースは一体何がしたいのだろうか。あれだけ情報が明るみになったなかで、記者たちを全く寄せ付けなかった理由はなんだったんだろう。次の週にはレギュラーシーズンが本拠地に始まる。サーカス状態になるのは間違いないのに。答えのない疑問がたくさんある」

　現時点で具体的な処分に関する報道はなく、メジャーロースター入りの継続が伝えられている大谷。彼と彼の陣営は世界中を震撼させたスキャンダルにいかなる決着をつけるのか。レギュラーシーズンが本格化するなかで、心身ともに難しい対応に迫られそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]