WEC第3戦は新たに2台のハイパーカーを迎え13台に。キャデラックVシリーズ.Rの追加投入が確定
2023年3月30日(木)18時56分 AUTOSPORT web

4月29日にベルギーのスパ・フランコルシャンで行われるWEC世界耐久選手権第3戦の暫定エントリーリストが発表され、チップ・ガナッシ・レーシング(キャデラック・レーシング)が2台目のキャデラックVシリーズ.Rをハイパーカークラスに送り込むことが判明した。
また、既報のとおりこの第3戦よりハーツ・チーム・JOTAがポルシェ963のカスタマー車両を同クラスにエントリーさせるため、最高峰カテゴリーに参戦する車両は開幕戦セブリング比で2台増え、13台が鎬を削ることとなった。
3月29日に発表された第3戦『スパ・フランコルシャン6時間』レースのエントリーリストによれば、追加される3号車キャデラックVシリーズ.Rは、セバスチャン・ブルデーとレンガー・バン・デル・ザンデがステアリングを握ることになっている。
このふたりは今季のIMSAで01号車キャデラックVシリーズ.Rのシートをシェアしているほか、2022年のWEC最終2レースには、LMP2のベクター・スポーツからエントリーしていた。
キャデラックは、WECにフルシーズン参戦する2号車、スパにエントリーするこの3号車、そしてIMSAウェザーテック・スポーツカーに参戦しているアクション・エクスプレス・レーシングという、3台のキャデラックVシリーズ.Rを、第4戦ル・マン24時間レースに持ち込むことになっており、今回の2号車のエントリーはル・マンへの準備を加速させるものになる。
GMスポーツカーレース・プログラムマネージャーのローラ・ウォントロプ・クラウザーは、「世界耐久選手権シーズンのスパで、もう1台のキャデラックをレースに投入する機会を得たことに興奮している」と述べている。
「WECのルールとレギュレーションの中でル・マンの準備をすることができる機会は、どんなものであれ素晴らしいものだ。これは、ヨーロッパのレースにキャデラックがより多く参加する機会であると同時に、ル・マンに向けたチームの準備をさらに推し進めるものになる」
このほか、既報のとおりポルシェ963のカスタマー車両が4月下旬からデリバリーされることに伴い、ハーツ・チーム・JOTAの38号車がハイパーカークラスにエントリーしており、スパでのトップカテゴリーは13台の車両によって争われることとなった。
トップカテゴリーにおける未確認のドライバーラインアップは、オリビエ・プラとロマン・デュマが指名されているグリッケンハウス・レーシング708号車の第3ドライバーのみだ。このシートには、開幕戦ではライアン・ブリスコーが収まっていた。また、2021年DTM王者のマキシミリアン・ゲーツは、今年このチームのドライバーを務めるものと考えられている。
11台がエントリーするLMP2クラスでは、プレマ・レーシング9号車のファン・マヌエル・コレアがバクーで開催されるFIA F2への参戦を優先するため、アンドレア・カルダレッリが今季2度目の参戦を果たす予定だ。
フィリペ・アルバカーキとトム・ブロンクビストはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権とバッティングしているWEC第2戦ポルティマオ6時間レースを欠場するが、第3戦ではユナイテッド・オートスポーツ22号車のシートに復帰する予定だ。
LMGTEアマクラスには大きな変動はなく、AFコルセの21号車フェラーリ488 GTE Evoに2013年ADAC GTマスターズ王者の、ディエゴ・アレッシが加わるのみとなっている。これがWECデビューとなるアレッシは、ステファノ・コスタンティーニに代わって、サイモン・マン、ユリス・デ・ポーとともに、ブロンズレートのドライバーとしてラインアップに加わっている。
LMGTEアマは依然14台と、3クラスのなかで最大のカテゴリーとなっている。
土曜決勝となる第3戦は、4月27日木曜から、レースウイークの走行がスタートする。