絶対王者フェルスタッペンは角田裕毅の昇格を「喜んでいない」 レッドブル幹部が内情を告白「最善の策だった」
2025年3月30日(日)7時0分 ココカラネクスト

角田の緊急昇格に対するフェルスタッペンの反応は興味深いものとなった。(C)Getty Images
現地時間3月27日、F1の名門レッドブルは、姉妹チームであるレーシングブルズに所属していた角田裕毅の昇格、そしてセカンドドライバーのリアム・ローソンの降格を発表した。
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異例のスピード決定だった。たしかに今季に昇格したばかりだったローソンは、オーストラリアGPと中国GPでゼロポイントと結果を残せてはいなかった。さらに25年の新型マシンである「RB21」への適応に苦心して低調なパフォーマンスも露見していた。
しかし、開幕間もない段階での急転直下の人事には疑問点も少なくない。角田に何の非もないが、ローソンの同胞でもあるラリードライバーのスコット・マクラフリンは「レッドブルは冷酷で非合理的だ」と糾弾。名門への逆風は強まっている。
そうした中で注目を集めているのは、レッドブルのエースであるマックス・フェルスタッペンの反応だ。セルジオ・ペレスが退団した今オフに、厳選されたはずだったセカンドドライバーが早々と変えられ、さしもの絶対王者も胸中は穏やかではなかった。
チームの“パニック的な人事”に対するフェルスタッペンの反応について赤裸々な告白をしたのは、レッドブルのドライバーラインナップの決断に大きな発言権を持つヘルムート・マルコ博士だ。
オーストリアのニュース局『OE24』のインタビューに応じた重鎮は「マックスは(決定に)満足していない」と吐露。フェルスタッペンが今回の決定に不満を覚えている事実を明かした上で「彼が喜んでいないことは分かっているが、レースには2台のマシンが必要。コンストラクター・チャンピオンシップのためだけでなく、マックスの5度目のタイトルのためにも必要なのだ。レースでより戦略的に走れるからだ」と訴えた。
もっとも、今回の人事を「全会一致で決めた」(マルコ博士談)というレッドブル首脳陣にとってもエースの反応は織り込み済みだろう。だからこそ、「ユウキ(角田)は変化を遂げた。マネジメントを変え、この状況では最善の策だった」とマルコ博士は語る。
不満を抱いているとされるエースの傍らで、角田はいかなるドライビングを見せるのか。まずは、4月4日に鈴鹿サーキットで幕を開ける日本GPに注目だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]