「笑えるし、本当にありえない」――なぜ母国メディアの大谷翔平との“比較”を嫌うのか? 至宝イ・ジョンフが示す尊敬

2024年4月4日(木)11時0分 ココカラネクスト

大谷に対する尊敬を隠そうとはしなかったイ・ジョンフ。その言葉の真意とは。(C)Getty Images

 韓国球界の至宝は、日本が生んだ偉才に特別な想いを抱えている。今季からメジャーリーグの名門ジャイアンツに加入したイ・ジョンフが、母国・韓国メディアのインタビューで大谷翔平(ドジャース)について言及した。

 元中日の助っ人イ・ジョンボム氏を父に持ち、韓国球界随一とされるポテンシャルは確かな評価を得ている。現在25歳のイ・ジョンフは、昨年12月にポスティングでのメジャー挑戦を決意。複数球団による競合の末にジャイアンツと6年1億1300万ドル(約163億8500万円)の大型契約を締結した。

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 いわゆる“ルーキーイヤー”となった今季は、開幕から6試合に出場して打率.292、1本塁打、4打点、出塁率.345、長打率.417とリードオフマンとしてまずまずのスタートを切った。あくまでスモールサンプルに過ぎないが、イ・ジョンフは「パワー不足でメジャーで通用しないのではないか」という懸念は払しょくした感がある。

 ゆえに韓国メディアは、日本球界が誇る偉才である大谷との比較を惜しまない。持ち前のスター性を比べることで、話題を生み出そうという狙いがあるのかもしれない。

 ただ、そうした母国メディアの“煽り”を、当のイ・ジョンフは真っ向から嫌う。

 現地時間4月2日に行われたドジャース戦後に韓国の日刊紙『朝鮮日報』などの取材に応じた25歳は、「大谷と比較される点についてはどう考えていますか?」と問われ、「なんでも僕が比較されるかがわからないし、大谷選手が知ったら気分を悪くすると思う」と困惑気味に回答。そして、「大谷選手はすでにメジャーリーグの歴史に多くを残している選手で、僕はまだ(メジャーで)始めたばかりの選手です」と謙虚に語った。

「契約規模だけを見ても、大谷選手は比較できない選手です。マスコミやメディアが煽る空気があるんです。僕は正直に言って、大谷選手を見るたびに、少し憧れの対象を見る感じというか、試合をしていてもライバルという感じは全くありませんよ。

 今、僕は新人で、毎日どうなるかわからない状況なんで。相手投手や守備で相手打者が打ったボールにだけ神経を使っているので、僕と大谷選手と同じレベルにいると括られるっていうのは笑えるし、本当にありえないこと」

 以前から大谷に「今まで見た野球選手の中で一番かっこいいと言っても過言ではない」と尊敬の言葉を贈ってきたイ・ジョンフ。「いつか引退した日に大谷選手ほどの選手と一緒の時代をプレーしたんだと自慢したい」と語った表情は、充実感に満ち溢れていた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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