期待された『SFgo』アプリに不具合発生も、新世代レース中継はドライバー音声がインサートされて満足感アップ

2023年4月8日(土)20時22分 AUTOSPORT web

 スーパーフォーミュラを主催するJRP(株式会社日本レースプロモーション)が昨年トップフォーミュラ50周年を迎え、今年2023年から『SF NEXT50プロジェクト』を発足し、そのデジタルシフトの目玉として注力して開発を進めてきた新たなデジタルプラットフォームアプリ『SFgo』。開幕戦ではいくつかのトラブルに見舞われてしまったが、レースではドライバーやエンジニアの無線の音声が流れ、新世代を迎えるにふさわしい今後の可能性を感じさせる中継となった。


 JRPが大きなリソースを投入して開発を進めて来た『SFgo(エスエフゴー)』アプリは自分が見たいドライバーのオンボード映像をリアルタイムで見ることができ、チームとの無線を聞くことが大きなウリとなっているが、開幕戦の予選ではポールポジションを獲得した野尻智紀(TEAM MUGEN)のオンボードが見られないトラブルが発生してしまった。


 予選後の会見で野尻選手のオンボード映像をはじめ、いくつかのトラブルを認めたJRPの上野禎久社長。予選終了後の時点で『SFgo』の登路者が「無料登録が9000人、有料登録が2500人」との数字を明らかにしていた。


『SFgo』はこの開幕イベントの2連戦で無料で試聴できるクーポンコードキャンペーンを実施中で、多くのユーザーが登録して期待の高さをうかがわせが、決勝前には新規登録ができない状態になるなど、アプリに不具合が発生。


 決勝レースでも上部の映像と下部の車両データに20秒以上のギャップが見られ、肝心のOTS(オーバーテイクシステム)の使用タイミングがわかりづらいなど、今後の改良の余地を感じさせる視聴となってしまった。


「予想以上のアクセスがあって、サーバーに大きな負荷がかかってしまった状況で動きが遅くなってしまいました。現在、対策中です」とレース後に話す上野社長。


 JRPがどのくらいの目標値を想定していたのかはわからないが、翌日の第2戦までに復旧や改善がされるのかはわからない状況だ。


 アプリは不具合が起きてしまったが、レース中継に目を移せば、中継映像の中でも時折ドライバー無線やエンジニアの声がインサートされて内容は充実。レースの接触やペナルティの状況も昨年より早く表示されて、さすがにF1の中継レベルとまではまだ言えないが、レース観戦状況のクオリティは確実にアップした。


 中継媒体もJSPORTに加え、ABEMAが参加するなど、アプリと合わせてファンにとっては観戦方法、観戦スタイルが多様化されたのは嬉しいこと。あとは肝心のアプリがさらに使いやすく改善されれば、これまでとはまた一段違ったレース中継を体感することができそうだ。

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