トヨタ初日ワン・ツーも「ライバルとの差はさらに接近している」と小林可夢偉/WECポルティマオ

2023年4月15日(土)9時3分 AUTOSPORT web

 4月14日(金)、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)はポルトガルでWEC世界耐久選手権第2戦ポルティマオ6時間レースの公式練習走行を開始。先月、アメリカ・フロリダ州セブリングで行われた開幕戦でワン・ツー・フィニッシュを飾ったTGRは、ポルティマオでも順調に準備を進めている。


 セブリングで勝利を挙げたマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペスがドライブする7号車GR010ハイブリッドは午後のフリープラクティス2で1分32秒155を記録。これがこの日の最速タイムとなったが、セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮の8号車GR010ハイブリッドは午前中のフリープラクティス1では最速だった。8号車はこの午前中のタイムにより、この日の総合順位ではチームメイトから0.637秒遅れの2番手となっている。


 TGRは、午前のプラクティスではさまざまな空力やメカニカルセットアップを比較しながらセットアップを調整。路面温度の上がった午後は、2種類のタイヤコンパウンドを比較するのに理想的な状況となり、チームは決勝に向けたデータ収集を行った。


 15日(土)には60分間のフリープラクティス3、および決勝グリッドを決する予選のセッションが行われる。


 ポルティマオでの走行初日を終えた、TGRの6名のドライバーのコメントは、以下のとおり。

初日トップタイムをマークした7号車GR010ハイブリッド WEC第2戦ポルティマオ


■小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)
「今日の結果には満足しています。我々TGRの2台は、それぞれ異なるプログラムをこなし、順調でした」


「チームの大きなターゲットのひとつが、路面温度に大きく左右されるタイヤのパフォーマンスを理解することですが、7号車は、練習走行1回目の最初こそ、タイヤをうまく扱うのに少し苦戦しましたが、午後には改善されました」


「ここポルティマオではライバルとの差はさらに接近しているので、チームはハードワークを続けており、レースウイークが進むにつれてクルマはさらに良くなるでしょう」


■マイク・コンウェイ(7号車)
「スタートから快調だ。我々は、決勝レースで予想されるコンディションでクルマから最大のパフォーマンスを引き出せるようにする作業に一日を費やした」


「このコースでのタイヤの挙動を学びながら、少しずつ方向性の異なるセットアップを試している。これれまでのところは順調だが、ここはコース上のトラフィックが課題で、その混んだ中、非常に短く連続したいくつかのコーナーがあり、そこではたちまち大きくタイムを失ってしまう。それが決勝レースでの重要な要素になるので、ドライバーとして適応していかなければならない」


■ホセ・マリア・ロペス(7号車)
「多くの内容のテストを予定どおり行うことができた、良い一日だった」


「GR010ハイブリッドは好調で、今日の両セッションともトラブルなく走れたというのは、レースウイークの初日としては文句なしだ。ライバルたちが何をしているのかは分からないので、競争力で我々がどのレベルにいるのかを明確にするのはまだ早い」


「我々は前戦セブリングで、予選前まではトップでしたが、その後フェラーリが、その持ち合わせたパフォーマンスを発揮するのを目の当たりにした。今日は、チームに競争力があると確認できたので、ポジティブなスタートが切れたと思う」

チーム代表兼7号車ドライバーの小林可夢偉


■セバスチャン・ブエミ(8号車)
「順調な一日だった。アクシデントなどない一日だったというのは、ここのような短いコースで、非常に多くの車両が一斉に走ることを考えれば良いニュースだ」


「我々はとても多く周回し、良いラップタイムも刻めた。今日は風が強かったので、そのコンディションでのクルマの挙動や、タイヤについても、多くを学ぶことができたが、今日得られたデータを解析し、サーキットコンディションに対応した最適な調整を行っていく必要がある」


■ブレンドン・ハートレー(8号車)
「2台ともにトラブルなく、スムーズな一日で、チームにとって良いスタートが切れた」


「セッションを通して2台は異なるプランに沿った走行をこなし、異なるタイヤコンパウンドのテストや車両セットアップ比較、そして、決勝レースへ向けた微調整に役立つ多くのことを学んだ」


「全体として、とてもポジティブな一日だった。これから、明日の予選で我々8号車にとって2023年初めてのポールポジション獲得を目指すべく、集中していく」


■平川亮(8号車)
「チームは非常に良い仕事をしてくれて、両セッションともにGR010ハイブリッドがワン・ツーとなり、多くの有益なデータを得られたので満足しています。まだ改善できることは多くあり、それらは決勝レースへ向け、さらにクルマを強くできるということで、良いことだと思っています」


「個人的には、午前中のセッションでは赤旗中断のため、あまり多くの周回をこなせず、満足感を得ることができなかったですが、午後は良いセッションとなり、多くの周回をこなし、良いタイムも刻めました」


「クルマには満足しており、この週末もプッシュを続けて行きます」

8号車GR010ハイブリッドをドライブする平川亮

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