阿部巨人 「甲斐2番起用」の裏に見えた新オーダーの"苦悩" 「上がってきてほしい選手」とは
2025年4月16日(水)13時2分 ココカラネクスト

甲斐は攻守にわたってチームをけん引している(C)産経新聞社
巨人は15日のDeNA戦(東京ドーム)に1−0の完封勝利。先発した井上温大が7回6安打無失点の好投で今季初勝利、自慢の救援陣も機能し、連敗を3で止めた。
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必死に腕を振った。前週と同じ対戦となった強打のDeNAに対して、井上は球威ある直球と落差のあるフォークで封じ込める。要所を締め、7回89球6安打無失点、3度目の挑戦で今季初勝利を手にした。
一方で打線では新オーダーも注目された。
「2番・捕手」で甲斐拓也を起用、「5番・一塁」に大城卓三を今季初先発させる新オーダー。その甲斐は3回一死一、三塁に相手先発のアンドレ・ジャクソンの高め150キロ直球をはじき返し、値千金の先制タイムリーをマーク。この虎の子の1点を守り切り、完封勝利を飾った。
巨人で「2番・捕手」起用は61年の藤尾茂以来、64年ぶり。開幕から捕手として先発マスクをかぶり投手陣をリードし、打撃でも現在リーグ打率4位の「.352」と存在感を示している。
一方守備でも負担の大きい捕手を打順の上位で起用するのは、チーム全体のバランスを考えても勇気がいることともなる。
実際に阿部慎之助監督は中継の試合後インタビューで、甲斐の2番起用を含めた打順について聞かれると「出塁率のいい2人を1、2番で並べて何とかクリーンアップにつなげてほしい」と意図を説明。
開幕戦で1番を務めた若林楽人が現在打率・208、クリーンアップも務めたエリエ・ヘルナンデスが・214と低迷。足も使える1、2番候補を固定できないことも打線につながりを欠く要因となっている。
15日の試合では7回まで井上が好投、後を継いだ大勢、ライデル・マルティネスも締め無失点リレーで勝利につなげた。一方でここにきて、打率・129と低迷していた坂本勇人、開幕から2戦連発と堅調な働きを見せていたトレイ・キャベッジも故障で抹消とチームに不安定な要素が増えている。
まずは交流戦までに戦いの形を整えられるか。今後も様々な試行を繰り返しながらVロードを目指していく。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]