早大以来3472日ぶり神宮弾はヤクルト移籍1号!チームの連敗止めた茂木栄五郎、FA加入を後押しした父の言葉
2025年4月21日(月)6時5分 スポーツ報知
初回1死一塁、右越え2ラン本塁打を放った茂木栄五郎(カメラ・上村 尚平)
◆JERA セ・リーグ ヤクルト3×—2巨人=延長10回=(20日・神宮)
本拠地の夜空に白球が映えた。ヤクルト・茂木のバットから移籍1号が生まれた。0—0の初回1死一塁。ケラーの直球を完璧に捉えて右翼席中段に運んだ。「久しぶりにいい打球が打てた」と納得の表情。ベンチで同僚たちとハイタッチを交わし、喜びを分かち合った。
早大4年だった2015年10月18日の法大2回戦以来3472日ぶり、プロでは初の神宮弾。数日前には「(プロでは神宮で)打ったことがないですからね。この先も打てないと思いますよ」と冗談めかしに笑っていた男が連敗中のチームに活気をもたらした。
楽天から国内フリーエージェント(FA)権を行使してヤクルトへ。昨オフは数週間、葛藤を続けた。残留すれば仲のいいチームメートと一緒にプレーできる反面、出場機会が限られることは理解していた。相談に乗った父・龍夫さん(71)は「随分悩んでいたみたい」と当時の状況を振り返る。最後は「自分のためにやってみたらいいんじゃない?」と息子の背中を押し、茂木自身も「もっと試合に出たい。もう一回レギュラー取るために頑張るよ」と奮い立ち、新天地行きを決断した。
延長10回には1死から右翼へ二塁打を放ち、2死二、三塁からの伊藤のサヨナラ打をお膳立てした。上半身のコンディション不良を再発した村上が離脱。「チャンスをもらっているうちに結果を残して代えられない存在になりたい」と背番号8。主砲に代わって三塁を守り抜く覚悟はできている。(長井 毅)