広島・大瀬良 マツダ単独最多46勝目!マエケン超えの今季初勝利「まだまだ名前を残せたら」
2025年4月24日(木)5時45分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 広島7—1ヤクルト(2025年4月23日 マツダ)
広島大瀬良大地投手(33)が23日、ヤクルト戦(マツダ)で今季初勝利を挙げた。先発として7回6安打1失点、110球の粘投。マツダスタジアムでは前田健太(タイガース)を抜いて単独最多の46勝目に到達した。家族からの激励も力に変え、コイのエースが本拠地で輝きを放った。チームは今季ヤクルト戦初勝利。首位堅守で貯金は最多タイの5とした。
先発としての役目を終え、ベンチに戻った広島・大瀬良がほほ笑んだ。通算140度目の登板だった本拠地で7回1失点。前田健太(タイガース)を超えてマツダスタジアム単独最多の46勝目を手にした。
「マエケンさんの年数と、僕の年数を比べると、やっぱりマエケンさんは凄かったんだな…という方が強い。まだまだいろんなところで名前を残せたらいいなと思う」
昨年8月31日のヤクルト戦で並んでから5試合を要した。マツダスタジアムで今季初登板だった前回16日の中日戦は8回2失点で黒星。ベンチで珍しく感情をむき出しにした。悔しい結果の裏で「登板前のシャドー(ピッチング)で“あっ、これだな”みたいなのが、ふと降りてきた」と手応えもあった。
それを結果でも証明。6点優勢で迎えた3回2死満塁のピンチではオスナをカットボールで中飛に抑えた。5回も2死から連打を浴びて二、三塁も、遊撃・矢野の好守に助けられて無失点。本調子とはいかなくても右打者に対して、チェンジアップを有効的に使うなど、捕手・会沢とともに配球を工夫した。7回2死三塁から西川に中前適時打を許したものの、最少失点で踏ん張った。
家族にも励まされた。16日の中日戦後に戻った自宅では真由夫人(35)と2歳の長男が白い紙で願掛けの“白星”を作ってくれた。
「息子には“打たれて悲しかった”と言われた。その気持ちをくんで、もっと勝てるように、息子を悲しませないように頑張ろうとなった」
1年目は10失点の苦い経験をし、昨季はノーヒットノーラン達成の歓喜もあった。本拠地での思い出がまた一つ増え、今季最多に並ぶ貯金5に貢献。「やっと僕もスタートをしたかなという気持ち。苦しい時にチームを引っ張っていけるように」。余韻に浸ることなく前を向いた。 (長谷川 凡記)