「あれ以上のスライダーとカーブは見たことがない」松井秀喜氏が語る衝撃を受けた投手とは
2023年4月23日(日)11時0分 ココカラネクスト

現在は楽天の指揮をとる石井氏、現役時代はヤクルト黄金時代の左腕エースとしてチームを支えた(C)CoCoKARAnext
この春開催されたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で世界中の野球ファンらを沸かせ、大会MVPにも輝いた大谷翔平(28・エンゼルス)。
今や投打ともにメジャーリーグの中でもトッププレイヤーと言っても過言ではないくらいスーパースターとなっている。
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メジャーリーグの舞台では、これまで野茂英雄氏をはじめ、イチロー氏や松坂大輔氏など多くの日本人選手が活躍をしてきた。
その中で、あの名門ニューヨーク・ヤンキースに入団、ワールドシリーズでMVPに輝くなど鮮烈な印象を残したのが、松井秀喜氏だ。
ドラフト1位で巨人へ入団後、メジャーではヤンキースを初め4球団を渡り歩き、日米通算507本塁打を記録した同氏は、間違いなく野球界のレジェンドの1人だろう。
そんな松井氏だが、これまで対戦してきた数多くの投手の中で、特に印象に残っている「残像」があるという。巨人時代のチームメートでもある上原浩治氏のユーチューブチャンネル「雑談魂」で昨年公開された動画内で、日本球界で苦手としていた投手について語っている。
あの松井氏が「冗談抜きで本当に真っ直ぐに見えて・・・」と語り、自身の腰が引けるほどの球を投げたというのが、現在は東北楽天ゴールデンイーグルスの監督を務める石井一久氏だ。
球種はスライダーだったというが、その前に投じられたカーブともども、一瞬デッドボールになるかと思ったほどの鋭い曲がりを見せたという。
その打席は、松井氏にとって「プロ初打席」となるオープン戦での一幕だった。
松井氏より一つ上の石井氏は当時プロ2年目。まだ一軍に定着していない投手が「こんなボールを投げるんだ」とプロのレベルの高さを感じたという。
当時は「これから一軍でさらにすごい球を投げる投手が来るだろう」と感じたというが、自身の野球人生を振り返り、「あれ以上のスライダーとカーブは見たことがない」というほど、松井氏にとって衝撃かつ忘れられない投球となったようだ。裏を返せば、「あれを1番最初に見られて良かった」と非常に高度な投球と最初に向き合ったことで、その後のプロの世界でやっていく自信にもつながったという。
そんな鮮烈な印象を残した石井氏は、実は松井氏にとっては自身の若手時代に1番苦手な投手でもあったという。
その理由をこのように語っている。
「石井さん、当初コントロールがあまりよくなかったんですよね。当たるスレスレの150キロの速い球がバンバンきて。実際2、3回ぶつけられているんですが・・・。それもあって、恐怖心がありましたね。前日から『明日石井さんか・・・』と憂鬱になるくらいでした(笑)」
日本球界時代は名勝負で知られた2人の知られざる秘話だった。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]