水原騒動下で2度の事情聴取も惑わず…“ゴジラ超え”の大谷翔平が見せた究極の集中力「裏切りにも負けずに打ち続けた」

2024年4月23日(火)7時0分 ココカラネクスト

松井氏を超える本塁打記録を打ち立てた大谷。そのパフォーマンスに称賛の声は続いている。(C)Getty Images

 予期せぬ騒動によって生まれた“逆風”に晒されながらも大谷翔平(ドジャース)は歩みを進めた。その姿勢は、野球の本場でも高く評価されている。

 現地時間4月21日に行われたメッツ戦に「2番・指名打者」で先発した大谷は、スコアレスで迎えた3回の第2打席に今季第5号となるアーチを記録。メジャーリーグの日本人選手史上最多となる176号をマークした。

【動画】歴史を塗り替える一発!大谷翔平がメジャー日本選手最多176号を放ったシーン

 10-0での大勝に貢献した試合後のフラッシュインタビューで大谷は「早く打ちたいと思っていたので、安心と喜びがある」と漏らした。その姿からも、ここまでの道のりが平たんなものでなかったというのは、想像に難くはなかった。

 いわゆる“ゴジラ超え”まで残り5本として迎えた今季も、決して楽々と達成したわけではなかった。開幕してすぐにグラウンド外で発生した一大スキャンダルの対応に追われた。

 パドレスとの韓国シリーズが幕を開けた直後の3月20日に、専属通訳だった水原一平容疑者の“裏切り”が発覚。「ギャンブル依存症だった」という同容疑者は大谷の銀行口座から1600万ドル(約24億5000万円)もの巨額資金を不正に盗用していたのである。

 一介の通訳の垣根を越えた“盟友”と呼ばれる人物が違法賭博に手を染めていたとあって、大谷にも疑義の念が向けられた。

 水原容疑者は21年9月からの約2年間に1万9000件ものスポーツ専門の違法賭博を実施。その際に抱えた総損失額は1億8290万ドル(約279億8370万円)とされており、これだけの規模のギャンブルを、大谷をはじめとする関係者が全く認知していないという事実に懐疑的な意見が飛び交った。

 そうしたなかで、身の潔白を主張し続けた大谷は、司法当局や米連邦捜査局などからの徹底した捜査にも応じた。自己ワーストとなる40打席今季第1号を放った4月3日(現地時間)のジャイアンツ戦の前には連邦捜査官と2度も対面し、事情聴取を受けていたことも明らかになっている。

 そして今月11日に検察当局は水原容疑者を「銀行詐欺罪」の容疑で訴追。それに伴って公表された訴状によって、大谷の無実も証明された。

 世界を騒然とさせたスキャンダルで、野球に集中できない時間は続いた。それでも、雑音を振り払うように集中を続け、グラウンド上で結果を残してきた。そんな偉才の「究極」とも言える集中力は、現地メディアでもクローズアップされている。

 米版『Yahoo! Sports』のジャック・ベアー記者は「ショウヘイ・オオタニは、イッペイ・ミズハラの裏切りスキャンダルにも負けずに打ち続けた。彼はただ前に進み、野球に集中してきた」と絶賛。また、米紙『New York Post』は、こう記している。

「ドジャースのショウヘイ・オオタニがヤンキースのヒデキ・マツイを超えた。オオタニは、元通訳イッペイ・ミズハラのスキャンダルで新天地でのスタートに影を落とされたにもかかわらず、ここまで素晴らしい活躍をしている」

 ショックな出来事を払拭し、憧れでもあったレジェンドも超えた。ここから球界屈指の偉才は、どこまで記録を伸ばすのか。その一挙手一投足に注目せずにはいられない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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